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2021.11.12

首位Tスタート・上田桃子『コースが広く見えた』

<Photo:Masterpress/Getty images>

 JLPGA ツアー2020-21シーズン第50戦『第37回伊藤園レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が11月12日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,741ヤード/パー72)で開幕した。この日は強風のタフなコンディション。4アンダーで青木瀬令奈、上田桃子が首位発進を決めた。2打差の2アンダー、3位タイは金澤志奈、鈴木愛、勝みなみ、稲見萌寧。2週連続Vを狙う古江彩佳はイーブンパー、11位タイにつけ、渋野日向子は3オーバー、32位タイと出遅れた。
(天候:晴れ 気温:19.3℃ 風速:6.7m/s)
《グリーン=スティンプ:12フィート コンパクション:22mm》

 ゴルフは、自然と戦うスポーツ。上田桃子は、その原点へ立ち返った。そして、68をマークし首位タイの好スタート。「コースが広く見えた。私らしい、とてもいい集中力を発揮できた」と、満足そうな表情を浮かべる。

 パー3の17番。印象的なシーンがあった。5I、それとも6I…。「ちょっと悩んだ。でも、(キャディーをつとめている辻村明志コーチから)ロケーションを嫌がらない。気持ちの強いスイングでいこう。力まずにクラブを振り切れ-とアドバイスされた。中途半端はない。それなら、6I。風の状況も含めて、明確なイメージで臨めたと思います」と話した。

 打球はピン下5メートルへ。確実に決めなければというチャンスではないものの、あっさりとカップインさせている。これが、自身の語る集中力のなせる業だろう。

 季節の変わり目。ましてや、立冬が過ぎた。風が強い。午前10時31分に瞬間最大風速16.8m/sを記録。以前から、「風が好き」と公言する。タフなコンディションの全英女子オープンや今年、優勝を飾ったパナソニックレディースも強風が逆転をアシストした。

 「風が強いという予報。練習ラウンドから、それを想定した。幸い、風の吹く方角はきのうと同じ」といい、ターニングポイントを、「3番のパー5。2オンを狙ったけど、風の影響で左の木に当たった。チャンスがピンチへ変わって…。結果は4オン1パットでパーセーブをできたけど、気を引き締め直した。本当に大きい出来事。以来、良い流れが途切れるところは1ホールもなかったです」と解説している。

 前週は最終日、最終組で優勝争い。ところが、得意の強風にもかかわらずクラブ選択などで迷いが生じた。結果は4位タイ。不完全燃焼だった。調子は悪くはない。再び、チャンスが到来し、「コーチと54ホールの集中力を大事にしよう」と巻き返しを期している。これは余談だが、辻村コーチは左足の指を2本骨折するアクシデントがあった。しかし、予定通り、キャディーを。「よく歩けるなぁ、と思うぐらいのけがだと思います。だから、なるべく負担をかけないようにしたかった」と、感謝の言葉を加えた。

 今コースは2005年、生涯一度だけの新人戦加賀電子カップで優勝。ランキング対象外だが、プロ初Vのうれしい思い出がある。「池へ打ち込んでも、優勝ができた。あの頃は、ピンだけを見ながらプレーするイケイケです。なつかしい。大人になった。もっとも(スタイルが構築されて)ここまで10年はかかっている」。

 とはいえ、変わらないものがひとつあった。現状に甘んじることがない、向上心だ。

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