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2021.11.14

イボミが語ったコロナ禍の葛藤 22年は推薦出場へ

<Photo:Masterpress/Getty Images>

第37回伊藤園レディスゴルフトーナメント グレートアイランド倶楽部(千葉県)最終日

 さびしい、さびしい総括会見。イボミは今大会がシーズン最終戦であることを明かした。次週も出場権があるものの、「JLPGAツアーに参加して10年。毎シーズン、30試合以上の出場を続けてきた。でも、今シーズンは心が折れてしまいました。少し、私へ時間をあげたいです」。

 過去、2度の賞金女王に輝いた。実力はもちろんだが、人気も相変わらず。まさにJLPGAツアーの顔といっていい存在でもある。しかし、予想外のコロナ禍で調整がうまくいかない。過去3勝と抜群の相性を誇った今大会も、通算3オーバーの26位タイに終わっている。

 勝負の世界は成績がすべてだ。今季の賞金ランキングは82位。シード権を失ってしまった。同時に、この日は「QTファイナルへ出場しない」とゲキ白。来季は推薦出場できる試合で復活を目指すことを明らかにした。

 「来日するたびに、仕方がないこととはいえ、2週間の自主隔離がある。その間は練習など何もできない。また、体が不調な時も韓国へ帰国して治療することができない。本当につらかった。それでも、プレーさえうまくいけば大丈夫でしたけど、スイングなどすべてがダメ」と、めずらしく伏し目がちになった。

 とはいえ、現役引退、JLPGAツアー撤退などは考えていない。以前から、「このままでは終わらない。一生涯、悔いを残すことになるから」と語っている。この日は、「シード落ちすることが信じられない。これから、何をすればいいのか、頭の中には何もありません。ひとついえるのは来年、推薦をいただける大会へ出場したい」。限られたチャンスにかける新たな道を模索する。

 一方で、絶頂期といえる15、16年。苦悩の影が忍び寄っていたことも。「トレーナーさんに対し、私は何のためにこんなにつらいことをしなければならないのか-そんな言葉を投げかけていた。振り返ってみると、あの頃からモチベーションや目標を失っていたのかもしれません」と話した。

 続けて、「目標の賞金女王、思っていた以上の成績を残せたことはうれしい。一方で、常にトップを目指さなければならないことが怖かった。本音でいうと、プレッシャーをかけたくない気持ち、プレッシャーをかけなければ勝てない-という気持ちが、いつも心の中でケンカをしていた。それから、いつも完ペキなショットを求めることで、追い込んでしまったのかもしれない」。頂点を極めた選手だけがわかる葛藤である。

 プライベートでは19年、俳優のイ・ワンさんと結婚。「早く家に帰って、料理をしたい。掃除もしたい。旦那さん、家族と楽しい時間を過ごせたらと思っている」と述懐しながら、「クラブを置くわけではない。いろいろなコーチの指導を受けてみたいです」と、新たなスタイルを構築する覚悟だ。

 会見が終了後、涙があふれた。なぜなら、グレートアイランド倶楽部は特別なコース-と位置付けていたからだ。「ここに来ると、なぜか気持ちが良い方向に変わる。他のコースも、こんな感じなら良かったけど…」。あのスマイルが再び、みたい。ファンのエールは、きっと届く。

(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)

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