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2022.1.20

93期生・2022年の挑戦 小倉彩愛

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty images>

 561人が受験して、22人が合格。JLPGA最終プロテストは日本一の最難関資格試験のひとつだろう。2021年はコロナ禍で2度のテストが行われた。6月、合格した93期生は25.5倍の競争を突破してライセンスを手中に。22年、飛躍を胸に2年目のシーズンをスタートする。

 おぐら さえ=2000年9月3日、岡山県総社市出身

 技術向上はさることながら、今年は開幕戦からJLPGAツアーの連戦が続く。今オフのテーマは体力強化。特に、下半身強化へ重点を置いている。

 「トレーニングは週6回。筋トレはもちろん、持久力をつけるため、ランニングが中心です。60分走、また、20分間で心拍数を上げ、同時に下げるランニングなど、たくさんのメニューをことなしている。たとえば2分間、傾斜6%を時速15-6キロのスピードで走り、そのあとに3分間は、軽く流す。強弱をつけたランニングを繰り返すことで、疲労回復がはやくなったと思います」とうれしそうだ。

 QTランキングは11位。第1回リランキングまで、ほぼ全試合に出場できる。ただし、悠長なことはいっていられない。「開幕戦から、いいプレーをしたい。そのためには体調をしっかり整えることが大事です。連戦に備えて、体重の変化を最小限に抑えられるように、シーズン中のトレーニング、食事についてもおろそかにはできません」。準備に余念がない。

 落ち着いたたたずまい。若さを感じさせない。「性格と、プレースタイルがすごく似ているのかもしれません。気持ちに波が少ない。冷静にコースマネジメントをして、メンタルをコントロールできることが強みです」という。

 淑女のたしなみは、プレーに。まさに、名は体を表すものだ。彩を愛でる-で、さえ。静かな響きが心地よい。「(彩愛は)すごく気に入っている。画数が良かったそうで、母がつけてくれました。大事にしたいから、サインは漢字に」と、こだわりを語った。

 身長160センチは、小さいとはいえないものの、平均230ヤードはそれほど飛距離自慢とはいいがたい。「もともと背が小さく、飛ぶ方ではない。ゴルフをはじめた4歳から、アプローチ、パッティングをたくさん練習した」とそうだ。精度を重視し、「グリーンまわりのアプローチが得意。56度のウェッジ1本で、いろいろな球筋を打ち分ける」。さらりと言ってのけた。

 一方で、パッティングは、「カップインするかは別にして、真っすぐストロークすることが身上。そうすれば、狙ったところへ打てます。再現性が高いです」と頼もしい。現在もアプローチとパッティングメインの練習を積み重ね、さらなる磨きをかける。

 取材で印象に残ったのはアンケートの目標選手へ、すらすらと有村智恵、イボミと書き込んだことだ。通常の場合、少し考える。

 「12年の伊藤園レディスをテレビ観戦して、感動しました。プレーオフで、ボミさんが優勝。でも、有村さんが敗れても心から勝者をたたえる姿が忘れられない。本当に素敵なシーンでした」と前置きし、「その有村さんと17年の日本女子オープンで、ご一緒することができました。ごあいさつをすると彩愛さん、と初対面にもかかわらず、名前で呼んでくださった。私がアマチュアだからと、対応を変えることがない。選手として接してくれました。一生の思い出。そんな選手になりたいです」。

 目が輝いた。古風でやさしい心の持ち主であると同時に、ゆるがない気構えをさりげなく示している。

(メディア管理部・中山 亜子)

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