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2022.4.3

独走→薄氷 西郷真央、2週連続&完全V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第5戦『ヤマハレディースオープン葛城』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が4月3日、静岡県・葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(6,590Yards/Par72)で行われ、西郷真央が通算8アンダーで自身初の完全優勝を飾った。2週連続優勝、通算3勝目はタフな自然との戦い。前日までのアドバンテージを生かし、1打差を死守した。2位は通算7アンダーの堀琴音。菅沼菜々、ペソンウが通算6アンダーの3位タイだった。
(天候:雨 気温:9.2℃ 風速:3.1m/s)
《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:22.5mm》

 独走の展開が一転。ホールアウトしてみれば1打差の混戦に変わっていた。2週連続優勝を飾った西郷真央は、「18番、第1打がOBだったけど、そのあとはしっかりプレーをしました。せめてボギーで上がろうと思ったけど、ダブルボギーになって、苦笑いをしましたけど…」。

 追い込まれてしまったわけではない。実は、こんな舞台裏があったという。「(指導を受ける)ジャンボさんから、ドライビングディスタンスは何位だ-と質問を受けます。それで、いい報告をしたいと考え、思い切ってクラブを振っていくことに。昨シーズンは10位だったから、それを下回りたくない」とひと呼吸おいて、「フルショットでも、コース内にボールがあるだろう。そう思っていた。でも、OB。次に同じ状況になったら、やめます」と笑顔を浮かべた。

 今季は5戦3勝。連日、会見対応がルーティンとなったようだ。時おり、リップサービスをはさみながら、真摯に対応。おそるべき20歳へ変ぼう中だ。5打差をつけていたスタート前、「ストローク差を意識せずに、自然体でプレーしようと思った。でも、雨が激しく、内容はバタバタです。でも、大変な1日はすべての選手が同じ条件。もし、晴れでコンディションが良かったら、下から一気にスコアを伸ばす選手が出てくるかもしれません。雨で良かった。次に同じ状況を迎えた際、今度はスコアをまとめられるように分析をしてきます」と話した。

 バーディーを量産とはいかなかったものの、ギャラリーをひきつけるスーパープレーを6番で披露。残り15ヤードの第3打を58度でチップインを決めた。「まさか、入るとは思わない。雨でどんよりしたムードを吹き飛ばすように、ギャラリーの皆さんが盛り上げてくださりました。ありがとうございます」。

 さらに、本日の西郷スペシャルというパー3の11番、第1打が「きょう一番でした」と振り返る。前2ホールで連続ボギーの後。6番終了後には、2位へ6打差と楽勝の展開が少々、あやしくなった矢先のことだった。

 「ティーイングランドで、パー5が残り2ホールあると思い返した。ひとつ、ふたつ取り返せばいいだけです。特に11番、私にとってイメージがすごくいい。集中力を高めていった」と説明。PWを選択し、ピン70センチにつけ楽々とバーディーを奪った。負の連鎖をストップする強じんな精神力も見逃せない。

 完全優勝、さらに最終日、最終組で優勝したことも初めて。今季の好調について、「皆さまが、練習場など恵まれた環境を提供してくださっています。出場する試合はすべて全力-というのは、その気持ちを表したいから。これからも、謙虚な気持ちを忘れずに頑張っていきます」と前置きし、「ごきげん度は100%。だって、優勝ですからね」と言葉が弾む。

 これで満足することはないだろう。昨シーズン、2位が7回ある。どんなスーパースターになるか、お楽しみはこれからだ。

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