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2022.4.23

長尺の人 木下彩がいよいよ最終日最終組

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

40th フジサンケイレディスクラシック 川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)第2日

 やっぱり、黄金世代はタレントの宝庫。木下彩が自己ベストの68を大幅更新する、63の大会コースレコードタイをマークした。首位から1打差の2位で最終日を迎える。また、この日はインタビュールームデビューという、予想外の大仕事が待っていた。

 以前から、渋野日向子のそっくりさん-として名前が知られる。「そんなに似とるかな」と、いいながらまんざらでもなさそう。同い年でしかも、親友の間柄だ。話し方、笑い方も本当にそっくりだ。「私が山口県、渋野が岡山県出身。方言が近いからでしょうか」と話した。

 そして、「緊張している」といいながら、「急にいいスコアが出た。びっくりしています。帰り、事故に遭わないように気をつけます」と、爆笑を誘う。ちなみに、スタート前のクラブハウスでは、顔を合わせた高橋彩華へ、「どうやったら、(第1日のような)8アンダーが出る」と質問ぶつけ、「パッティングさえよかったら、オッケー」と言われたそうだ。

 そのパッティングの神さまが降臨。川奈名物の高速の高麗グリーンをやすやすと攻略した。実は、高麗が大好き。自身の原点でもあることを話す。幼少の頃から通ったホームコースが高麗グリーン。それで、「(高麗は)カップインしなくても、芝目のせいにできる。気が楽ですよ。そう考えれば、何とかなるものです」と屈託がない。

 使用するのは、長尺パター。ここに至るまで、明るいキャラクターとは対照的に、深刻な悩みがしみ込んでいた。高校時代からパッティングの不調に悩み、「50センチが遠く感じるようになった」と明かす。渋野、高橋らと18年の最終プロテストに合格したが、下積み期間が長かった。

 転機は昨年6月。4戦連続予選落ちで、しかも3パットを連発したことから、スタイルを大幅チェンジする。9月のゴルフ5レディスで、レギュラーと長尺の2本のパターをバッグへ加えた。アイアンを1本、抜かなければならなかったものの、「感触がすごく良かった」と長尺パター使用を決意する。

 周囲からは、何度も長尺使用を勧められたものの、「ダサいでしょう」と敬遠。とはいえ、なりふり構ってはいられない状況に追い込まれ、今日では、「ゴルフは格好ではない。入ればいい。結果がすべて」と達観するまでになった。

 プレーを拝見して、驚いたことがあった。第1日、パー5の12番で285ヤードのビッグドライブを披露している。「キャリーが伸びた。これは確か。でも、そこまで飛んでいる実感はない。あらら…。どうしましょう」と真顔で語った。

 ちなみに最終組でプレーするのは、もちろん初体験。「優勝争いなんてしたことがない。緊張しいなので、優勝は考えない」といい、「それよりも、17番の賞金500万円が魅力です。ホールインワンを狙いましょうかね」。上位5人の内、3人の名前に彩の文字がついていた。

 決して、いろどりでは終わらない。主役をつとめる可能性を秘めている。

(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)

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