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2022.5.8

Day 4 プラスワン~茨城ゴルフ倶楽部

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)最終日

 勝負には、時として人知を超えた出来事が起こる。ゴルフは自然、そしてコースとの勝負。葭葉ルミに奇跡が訪れたのは第2日、パー5の17番・第2打だ。

 「ピンを狙ったUTのショットは、イメージとは違う方向へボールが飛んでいきました。右のバンカー方向です。ミスった-と思ったら、バンカーのあごに当たったらしい。うまくキックが効いて、ピンが手招きするように、ボールが1.5メートルへ寄っていって…。その後、イーグルパットが決まって、予選落ちの大ピンチを切り抜けることができた」と振り返る。

 開幕前々日。練習グリーンではたくさんの選手が調整に余念がない。その中で、とりわけ目立ったのは葭葉、上田桃子である。共通するのは、グリーン上に、タオルを敷いてアドレスをしていた。

 「きれい、のひとことではすませたくない。最高でした。同じ個所からストロークをすると、スパイクマークが残る。足形をつけては申し訳がないから、タオルで保護をした。せっかく、予選を通ったのだから決勝ラウンドの2日間も、一生懸命にプレーを。でも、うまくいかない。ただ、これほど難しい状況で1ラウンドでもアンダーパーをマークできたのですから、本当にうれしい」(葭葉)

 「グリーンが最高の状態。痛まないようにしました。薄いタオルを敷いて。グリーンは各日、最高のコンディションを保ちながら、本当に難しい。精神面で特に影響がある。1フィートのスピード、コンパクションでこんなにも違うものだろうか。4日間、たくさんの経験をした」(上田)

 全力を注いだ72ホールでも、第3日の7番・第2打のスーパーショットが目に焼き付いた。ピン手前2.5メートルにボールが落下。カップへ吸い込まれたイーグル奪取だった。コースに敬意を表した2人には、グリーンに宿った精霊からのプレゼントかもしれない。

 一方、茨城ゴルフ倶楽部のグリーンキーパー・西塚大介さん(48)も72ホールの名勝負、数多くの名シーンを見守った。キーパーへ就任して1年。初の大舞台だ。「挑戦しがいがあるコースだ、と選手の皆さんが感じてくださることが何より。世界基準のセッティング-とリクエストを受け、1年をかけてメンテナンスしました。芝は生き物。基本的な作業を丁寧に繰り返しただけですよ」と話す。

 続けて、「大事なものは土壌でしょう。人間と同じで栄養が大事です。健康チェックをしながら、どんなアプローチをしていくかを決定してきた。それから、やはり天候です。今年、春になって雨が多かったから、フェアウエイの状態、ラフが元気。ただ、グリーンは水分が多く、コンパクションが上がるかが、心配のタネでした。私は経験が浅い。極端な話、開幕1週間前でも、自信がもてない。でも、前のキーパーに相談したら大丈夫、とタイコ判を押してくれた。スタッフ全員で動いて、いいチームが完成すれば、いい仕事ができる。みんなの力です」と感謝を口にする。

 今回は世界基準と評判が高い。百聞は一見にしかずではないが、余暇をみつけては、海外のトーナメントにボランティアへ。直近ではフェニックスオープンへ参加した。「男女の差がありますけど、PGAツアーで今大会のグリーンコンディションは、世界でいうと普通かなぁ。海外ボランティアはすごく刺激になる。芝の管理がとにかく盛んです。日本ではグリーンキーパーだけど、アメリカではスーパーインテンデッドといって、あこがれの職業らしい。大学で多くの学生が芝の研究をして、トーナメントのボランティアへやってくる。そして、管理の技をいい意味で盗もうとみんなが必死です。というのも、キーパーは社会的な地位も高いからでしょう。大きなトーナメントを任されるキーパーは引っ張りだこですよ」と、うれしそうだ。

 さらに、社会状況同様、コース側も見えない努力を続け進化させている。「グリーンを刈る機械は電動で、音が静か。排出ガスを出さず、環境にやさしい。会社全体でそういう意識をもっている。時代と歩調を合わせ、コースも変わっています」。

 自然と共生しながら、サステナブルなトーナメントを根付かせる。今大会は美しく輝いていた。そんな舞台裏の-プラスワン。

(メディア管理部・中山 亜子)


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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