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2022.8.7

逆転Vのイミニョン『トップは知らなかった』

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第22戦『北海道meijiカップ』(賞金総額9000万円、優勝賞金1620万円)大会最終日が8月7日、北海道北広島市・札幌国際カントリークラブ島松コース(6557ヤード/パー72)で行われ、3位タイからスタートしたイミニョンが逆転優勝。67をマークし、通算9アンダーでツアー通算6勝目をあげた。1打差の8アンダー、2位タイは横峯さくら、櫻井心那。首位スタートの上田桃子は通算7アンダー、4位、鈴木愛は通算6アンダー、5位タイだった。
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《グリーン=スティンプ:11 3/4フィート コンパクション:22.5mm》

 苦境を跳ね返した。イミニョンが飛び切りの笑顔を約3年ぶりに披露したのは、優勝の表彰式。さらに、会見では、「信じられない」を何度が口にした。

 今大会は大混戦。誰が優勝してもおかしくはない展開が開幕から続いた。通算8アンダーで3人が並んでいた18番。残り73ヤードの第3打を58度で、2メートルのバーディーチャンスを得た。

 「こんな表情だから、皆さんにはおわかりにならないでしょう。ドキドキです。でも、最後のパッティングの時、ここは練習グリーン。練習のようにストロークすればいい。心の中で何度も繰り返した」という。普段なら、何でもないパッティングである。より、慎重にカップを狙い、ソフトタッチでカップインさせた。

 ベストをつくした67。それだけで満足だった。しかし、ホールアウト後にはサプライズが-。「実は、優勝争いがどうなっているのか、まったくわからない。だって、集中するためにきょうは一度もリーダーボードを見ていない。アテストを済ませ、モニターをちらっと見ると、私がトップ…」とひと息ついて、テレビモニターで櫻井心那の18番のバーディートライを観戦した。

 「私と同じ。2メートルぐらいでしょう。間違いなく決める。その時から、プレーオフに備えて心の準備をはじめた」そうだ。ところが、バーディーパットは左へ。この日、初めて相好を崩す。

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 コロナ禍が災いして、20年から優勝争いはするものの、あと一歩で逃すことが多くなった。今季は前週までトップ10はわずかに1回。不振の原因を、「私はコーチと一緒に準備を整えるタイプです。ゴルフは毎日、毎週、さまざまなうまくいかないことが出てくる。ひとりで大丈夫という選手も結構いるけど、私は本当にダメ。コロナ禍で韓国からコーチが入国できない。でも、2週前、入国が緩和されたおかげでいろいろ指導を受けることができた。優勝もそのおかげです」と説明した。

 第1日、シーズン2つめのイーグル奪取。持ち味のパワーフェードがさえ、とりわけアイアンショットの切れ味が抜群だった。9番=5メートル、10番=3メートル、11番=7メートルの3連続バーディーなど、パッティングも劇的な変化を遂げている。

 17年からJLPGAツアーへ参戦。いきなり賞金ランキングで2位になった。とはいえ、その人生は順風満帆とはいえない。15年、腎臓がんと診断され、一時は死を覚悟した過去もある。早期発見が奏功し、ツアー復帰を果たした。その経験からプレーできる喜びをかみしめながら、常に感謝の気持ちを忘れない。

 「ゴルフは本当に楽しい。でも、試合で成績を出すことはとても大変です」と、しみじみと語った。さらに、最近、若手が台頭していることについて、「どの選手もスイングがきれい。本当に格好いいと思います。その上、メンタルが強く、技術が確か。ミスをすることが少ない。年齢は若いけど、コースではベテランがプレーしている匂いもします。そうした選手から、たくさんのことを学びましょう」と続ける。

 復調で元気が出た。これからの目標を、「できるなら、公式競技で優勝してみたい」。コロナ禍でなえそうになった闘争心を再び、奮い立たせた。

(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

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