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2022.9.25

山下美夢有-大会新で圧勝 今季3勝目

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第29戦『第49回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント』(賞金総額7000万円、優勝賞金1260万円)大会最終日が9月25日、宮城県宮城郡・利府ゴルフ倶楽部(6491ヤード/パー72)で行われ、山下美夢有が通算18アンダーの大会新で圧勝した。今季3勝目、ツアー通算4勝目。5打差の通算13アンダー、2位タイは竹田麗央、三ヶ島かなが入った。
(天候:晴れ 気温:23.2℃ 風速:2.3m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/4フィート コンパクション:23mm》

 真の女王へより謙虚に-。しかも、プロフェッショナルだ。大会新記録の通算18アンダーで圧勝。「ホステスプロとして優勝がすることができた。とてもうれしいです」が公式会見での第一声だ。加賀電子所属で厳密ならホステスプロではない。とはいうもののクラブ、ボール、シューズなどの用具契約を結ぶ住友ゴム工業へ、まさにご恩返しである。

 続けて、「去年、(41位T)で悔しい思いをした。今回は、なおさらのこと上位で戦いたかったです」とも加えた。プロ3年目の今季は大躍進の3勝。しかも第1日、18ホールのツアー最少ストローク記録を更新する「60」をマークした。その時の会見でも、「ダンロップのクラブがいい仕事をしてくれた」と話すシーンが印象に残る。

 技術向上は個人の努力でも、そんな環境、用具を提供するスポンサー、スタッフのサポートを身に染みて感じているからだろう。皆さまのおかげ-を強調したひたむきな態度が素晴らしい。

 今大会、プロの生命線といえるような1Wを新調。さっそく投入した。近日発売予定のスリクソンZX5 MKⅡ9.5度である。「練習から前週までのクラブと2球打って、データを集めた。トラックマンで計測するとミート率など、新しい1Wはデータがいい。また、風にも強い。3W、5Wとあわせて使いました」という。驚くことに、「1Wでは10ヤードぐらい、飛距離が伸びている」とも。

 こんな思い切りの良さ、データを駆使した新時代のスタイルがレコードと、Vを運んできた。もちろん、そんな用具をフルに使いこなし、能力をさらに引き出したことは本当に感服するしかない。スポンサーが特別協賛し、冠となった大会を大いに盛り上げた。

 完全優勝は今春のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップに続き、2度目の達成。しかし、その舞台裏で自身が感じていたのは最終日、最終組の取り組み方だ。

 「どんな時でも、淡々とプレーすることが私のスタイル。でも、最終日の最終組になると緊張して、リズムを崩す。それを前週、気がついた。ちょっと悩みすぎ…」とひと呼吸おいて、「今回の優勝で自信になりました」。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2位タイへ8打差をつけスタート。優勝して当然-と誰もが感じた最終日である。結果はアンダーパーの71をマーク。2バーディー、1ボギーの内容だったものの、「なかなかスコアを伸ばすことができない。それが最終日の難しさです。ただ、攻め時はしっかり。12番のボギー、ちょっとパッティングで攻めすぎたものの、ショートはしなかった。きょうも100点。攻めのスタイルを貫くことができたからです」と、54ホール・300点のラウンドを振り返っている。

 これで12試合連続ベスト10という抜群の安定感。しかも、メルセデス・ランキング首位、平均ストロークで唯一60台、パーセーブ率など他の選手を大きくリードしている。それだけに、「メルセデス・ランキング1位もしっかりとりたい」と新たな目標を掲げた。

 慎重で、有言実行の人がこれだけのことを宣言したのは、「(連戦の)疲れはありません。去年はこの試合あたりから、スタミナ切れになった反省を生かし、今年は体調管理にも取り組んでいるからです」。同じ轍を踏まないことも、真のプロフェッショナルの証明だった。

 (JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)


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