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2022.10.14

5位Tの鈴木愛- 発奮・上昇・意地

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

富士通レディース 2022 東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)第1日

 すべてを一新。今季の残りは今大会を含め、7試合になった。選手誰もがラストスパートを誓っている。そんな状況で鈴木愛は、これまでにないほど自分を追い込んでいる。

 「メルセデス・ランキング30位から漏れている時点で、相当やばい。私は毎年、シード権を目指しているわけではない。当然、35位で満足するわけにはいかない。もっと上を狙っている。落ちぶれているのもイヤ。このまま引退するのもイヤです」。何やら、ただならぬ雰囲気で語気を強めた。危機感をあおり、跳ね返そうと必死だ。

 この日は7バーディー、2ボギーの67。首位から2打差の5位タイとまずまずのスタートを切った。実は、悠長に構えられない理由のひとつに、11月3日開幕のTOTOジャパンクラシックの出場権確保がある。現在のメルセデス・ランキングは37位。資格を得るには35位以内でなければならない。過去2度の賞金女王に輝き、19年大会を制した実力者もがけっぷち。しかも、今大会終了後に確定する。

 「TOTOへ出たい。追い詰められています」と認めながら、「今回は優勝争いとは違う緊張感がある。こういう精神状態でゴルフをすることは最近、なかった。久しぶりに緊張した状況。まだ、第1日が終わったばかりだけど、結果を残せたことには、まぁ自分をほめてあげたい」。ひとことずつ、かみしめるように語っている。

 今季はショットの不調に悩まされ続けた。もう、できる限りの手はつくしている。そこで、従来ではなかった行動に。2週前から段階的に使用クラブをスイッチした。プロデビュー以来初の挑戦だ。まず、着手したのはアイアン、ウェッジ。日本女子オープンから近日発売予定のニューモデル・ピンi230を6IからPW、46、52、58度の3本を同GLIDE4.0へ変更した。

 続いて前週は、11月11日から発売するG430へ。1、3Wとハイブリッドの4、5番を使用している。パターとハイブリットの7W以外は新製品。異例ずくめの試みだが、きっちりと結果が出ている。日本女子オープン16位T、そしてスタンレーレディス7位T。それ以前、3戦連続で予選落ちを喫しているだけに、天と地ほどの差があるように感じる。

 「パッティングはずっといい。ショットもここ何週間で、だんだん安定感が増してきた」と慎重な物言いでも、手応えは十分だろう。というのは、この日16番までノーボギーラウンドだったが、上がり3ホールで2つのボギーを叩いたからか。「ウェッジの距離感がいまひとつ。ピンにピタッときてバーディー、というのがほとんどなかった」と課題をあげたが、それは日を追うごとに解決しそうなムードだった。

 結果を重ねれば自信につながる。ましてや、用具契約先の命運まで-となれば、これはもうプロ冥利に尽きるというものか。意地と技術を凝縮させ、残りの2日間へ挑む。

(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

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