2022.11.4
神谷そら 急がば回れ−のトップ合格
神谷そら<Photo:Toru Hanai/Getty Images>
『2022年JLPGA最終プロテスト』最終日が11月4日、茨城県大洗町・大洗ゴルフ倶楽部(6543ヤード/パー72)で行われ神谷そら(19)がこの日、68をマーク。通算10アンダーでトップ合格を果たした。あわせて2022年度、クォリファイングトーナメントファイナルステージの出場資格を獲得。通算8アンダー、2位タイは小暮千広(19)、鶴瀬華月(20)が入り、通算3オーバー、18位タイの20人が合格した。
大混戦の最終日。ただひとり60台のスコアをマークした神谷そらが、堂々の1位合格。2位グループへ2打差をつけた。最終プロテストは2度目の受験。「この一年。長くて苦しかった。やっと…そういう気分です」とニッコリした。
目標は当然のように、合格。しかも首位を目指した。目標は大きければ大きいほどいい。これも若さの特権だろう。しかし、「開幕前、4日間で10アンダーを目指そうと思った。天候が微妙でコースも難しい。それでも集中力を高めれば絶対にイケる」とひたすら『10』へ向かった。
パー5の15番、残り45ヤードの第3打を58度で1メートルにつけ、バーディー奪取。通算10アンダーへ乗せた。ラスト3ホールは集中力もマックスへ。「18番でパーパットを決めた時は、ようやく目標達成。合格よりも、10アンダーだったことが本当にうれしかった」という。
ゴルフは個人スポーツ。ただ、テストとなるとライバルといった感覚はなかった。運命共同体のような同士の感覚に。この日、同組でプレーした3人へプレー中も、「ナイスバーディーなど、声をかけた」そう。その効果もあって、全員が合格している。
「テストで良かったのはずっとパッティングが安定。しっかりストロークができました。ただ、持ち味の1Wが安定していない。ミスを許しながら、何とか乗り切ることができた」と振り返った。168センチ・58キロと恵まれたアスリート体形。魅力は平均260ヤードの飛距離である。
「1Wはキャリーで250ヤード。ランが10ヤードぐらいです。今まで、しっかりとトレーニングをしたことがありません。これからはシーズンを通して戦える体づくりもしなければなりません。それから、割と故障も多いから丈夫な体にならないと…」と背筋をピーンと伸ばした。
ところで、プレーは右打ちでも本来はサウスポー。「得をしたことはありません。皆さんからいいね、とはいわれるけど…」。03年生まれの19歳である。同い年には、すでにJLPGAツアー2勝の川﨑春花など、逸材揃い。
一年の遠回りを取り返すには、トップ合格で得たファイナルQTの出場権を大いに生かすしかない。
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