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2023.3.4

申ジエ-圧巻プレーで首位『スコアはわからなかった』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第1戦『第36回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,160万円)大会第3日が3月4日、沖縄県・琉球ゴルフ倶楽部(6,560ヤード/パー72)で行われた。ムービングデーのこの日、圧巻のプレーを披露したのは申ジエ。65をマークし、通算9アンダーで首位に立った。2打差の通算7アンダー、2位は上野菜々子。通算6アンダーの渡邉彩香が3位で最終日へ向かう。
(天候:晴れ 気温:19.8℃ 風速:1.3m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:22.5mm》

 レジェンドの眼光がより鋭くなった。パー5の最終18番。残り223ヤードの第2打で迷わず3Wを選択した。迷わず2オン狙い。打球はピンへ向かい、ピン奥1.5メートルへ止まった。会心の一打が最後に飛び出す。

 あっさりとイーグルを決めて、ようやく笑顔をのぞかせた。「ホールアウトするまで、スコアがいくつだったのかわからない。そのぐらい今日は集中していた。いいフィニッシュ。本当に良かった」という。

 続けて、「18番の第2打は、とにかくクラブを信じて振りぬいただけ。ピンポジションはすごく難しい。風と、打つ角度が良かったと思う。実はきのう、新しい3Wを試したけど、うまくはいかなかった。風が強かったし、スイングのリズムが速くなっていたと思う。たくさん練習して、第3日へ臨みました」と説明している。

 この日は1イーグル、6バーディー、1ボギーの内容。ギャラリーが、舌を巻くようなプレーを随所で展開した。とはいえ、好スコアのキーホールとしてあげたのは唯一のボギーだった4番。

 「ピン奥から、3パット。少し、リズムが速くなっていることに気がついた。あの3パットがなかったら、後半のチャージがなかったかもしれませんね」と話した。このあたりが百戦錬磨のベテランである。一方で、両ヒジ手術からもうすぐ1年。昨シーズンは未勝利に終わったが、「常に最善をつくしていた。だから、優勝はできなくても悔しさは残らない。むしろ、去年はツアーでプレーできて、将来が見通せたように感じた」と、振り返る。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 一方で、もっと努力をしなければならない事情もあった。同じ1988年生まれのイボミが今季限りでJLPGAツアーを引退する。2人に加えて、すでに現役を引退したキムハヌル、イナリの4人は「パルパル(88年)」の同期生として、シーズン中も会食を楽しむなど仲の良いカルテットだ。

 「引退した、引退する友人から、私の力をあなたへプレゼントする-と激励を受けた。私はまだまだ現役で頑張ります。だって、ゴルフが好きだから」。今オフ、は意を強くした。そのオフは、オーストラリア・メルボルンで金澤志奈と約1カ月にわたり合宿。その成果を試そうと出場した、オーストラリアツアー、ヴィックオープンで優勝を飾り、沖縄へ入った。

 「不安があったけど、オーストラリアでとてもいいプレーができた。たくさんイメージがわいて、きょうもそんな良いままの状態をキープできたことがうれしい。琉球ゴルフ俱楽部は、狙う場所がすごくせまい。また、ピンポジションが難しく、こういうコースが好き。だって、集中力が増すでしょう」と言葉が弾んだ。

 JLPGAツアー最終日、最終組でプレーするのは、あすが65回目。優勝こそないものの、今大会は10回目の出場でトップ10が7回と相性がいい。世界中のツアーで通算62勝をあげている。そして、JLPGAツアーの永久シード獲得まで、あと4勝。目標が増えれば、集中力が研ぎ澄まされることは間違いなし。レジェンドへのプロセスを楽しんでいる。

(青木 政司)

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