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2023.3.23

今年こそ亡き祖母にVを捧げたい原英莉花

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第4戦『アクサレディスゴルフトーナメントin MIYAZAKI 2023』(賞金総額1億円/優勝賞金1,800万円)が3月24日、宮崎県宮崎市・UMKカントリークラブ(6,565ヤード/パー72)で開幕する。23日はプロアマ大会が行われ、注目選手の囲み取材が行われた。

 元々は攻撃的なゴルフを身上としていた原英莉花だが、ここ最近はあと一歩ピンを攻め切れていなかったという。成績が出ないことで予選通過を気にするなど、守りのゴルフにシフトしていたのだ。しかし、第2戦『明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメント』の予選ラウンドで勝みなみ、古江彩佳と同組でラウンド。「ピンに対して怖がらずに攻めていける姿を見て、こうじゃないと勝てないよな」と気がついた。

 攻めのゴルフを取り戻した途端、前週の『Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント』では昨年一度も無かった3位タイに入った。

 上り調子で迎えた今週は、週初めにワールドベースボールクラシック(WBC)をテレビで観戦し、大きな感銘を受けたという。「準決勝のメキシコ戦でそれまで苦しんでいた村上宗隆選手がサヨナラ打を放ったじゃないですか。もう人間じゃないと思いましたが、決勝戦を観ても興奮したというか、スポーツってこんなに感動するんだと感極まりました」と振り返る。

 原自身も昨シーズンは未勝利に終わったが、スイングに悩み、パッティングに苦しんだ1年でもあった。周囲の大きな期待に応えられなかったからこそ、村上の気持ちが痛いほどわかり、それを打破したことに対して素直に敬意を持ったわけだ。

 自分もスポーツの感動をファンに与えることができたなら。それは攻撃的なゴルフを見せることにある。原の考えに間違いはない。幸いにも、先週からパターを替えたことで、悪癖だったアウトサイドにヘッドを上げることがなくなった。「インサイドインの軌道でストロークできるようになり、アッパーブローでとらえることで転がりもよくなりました」と笑う。

 一昨年、今大会の直前だった3月24日に大好きだった祖母を亡くした原。欠場することなく、優勝を捧げるために出場したが、3位タイに終わった。さらに昨年は42位タイと祖母との約束はまだ果たしていない。「2年前、私はゴルフを頑張ると祖母に誓ってこの大会に臨んだことは忘れていません。今年こそここでいい戦いをして祖母に勝利を届けたいです」と涙をこぼしながら語る。攻めの心と祖母への誓いを胸に、2年ぶりの優勝を目指す。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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