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2023.4.8

北村響-デビュー戦以来、9年ぶりの優勝

<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2023シーズン第3戦『Hanasaka Ladies Yanmar Golf Tournament』(賞金総額3,000万円、優勝賞金540万円)大会最終日が4月8日、滋賀県栗東市、琵琶湖カントリー倶楽部 栗東・琵琶湖コース(6,408Yards/Par72)で行われ、滋賀県出身の北村響が通算5アンダーで逆転優勝。2014年以来、9年ぶりとなるステップ2勝目を地元大会で飾った。3打差の通算2アンダー、2位タイは最終日のベストスコア69をマークした河野杏奈とスタイヤーノ梨々菜。
(天候:曇り 気温:13.2℃ 風速:5.8m/s)

 今大会の開催コース・琵琶湖カントリー倶楽部は、過去に日本女子オープンや日本オープンなどを開催している難コースだが、北村響がショット力と巧みなパッティングを武器に、通算5アンダーで制した。地元・滋賀県出身の北村にとって、同コースはジュニア時代から数え切れないほどラウンドしており、大会前には毎週練習ラウンドを行っていたというだけに、執念が実った勝利だと言える。北村にとって実に9年ぶりの優勝だが、ここまでの道程は決して平坦ではなかった。

 19歳だった14年のプロテストに一発合格。前年に関西ジュニアで優勝し、日本女子アマでも4位に入るなど、トップアマとしての実績もあっただけに、当然の結果だったと言える。それを証明するかのように、プロテストから約1か月後に開催されたステップ・アップ・ツアーのごうぎんDuoカード・レディーストーナメントでは、2位に4打差をつけて優勝している。

 プロデビュー戦でいきなり初勝利を挙げると、翌15年はJLPGAツアーのスタジオアリス女子オープンで6位タイに。まさに順風満帆のプロ人生かと北村自身も思ったが、好事魔多しで次に出場したサントリーレディスオープンでドライバーのイップス病にかかってしまった。「もうフェアウェイどころか、ギャラリーの方ばかりへ打っていました」。以来、思うような結果を残せず、ステップ・アップ・ツアー中心の生活を送っていた。

 そんな北村に手を差し伸べたのがシニアプロの高橋勝成だった。半ば強引に弟子入りし、高橋と二人三脚でスイングをゼロから作り直す。「ちょうどコロナの時期で試合が無かったのも幸いしました。最初の2、3カ月は朝から晩まで練習場でボールを打たされました」と振り返る。1日最低でも1,000球打っていたというから驚きだ。その甲斐あって、イップス病を克服。20ヤード飛距離が伸びたドライバーだけでなく、アイアンショットも良くなり、パーオン率も上がった。


<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 ショットが良くなれば、あとはパッティングに集中するだけ。最終日、スタイヤーノ梨々菜と首位タイにいながら、11、12番ホールで連続ボギー。13番パー4でも3メートルのパーパットを残すピンチを迎えたが、「絶対に3連続ボギーだけは避けようと思った」と、このホールはキャディーにしっかりとラインを読んでもらい、カップインに成功。何とかピンチを切り抜けた。

 連続ボギーで首位とは2打差に開いたが、北村はあきらめない。パーを重ね、じっとチャンスが来るのを待つと、スタイヤーノが14、15番ホールで連続ボギーを叩き、再び並んだ。そして17番、8メートルのバーディーパットで突き放すと、最終18番では3メートルのウイニングパットを沈め、何度もガッツポーズを見せた。

 「雨で中止になったきのうは、自宅でジッとしていると余計なことを考えるので、練習場とジムでトレーニングをしていました」。聞けば、ジムで7キロも走ったというが、むしろリフレッシュしたことで、最終日は緊張感なくプレーできたと言う。

 今回の優勝で賞金ランキング1位に躍り出た。「賞金よりも優勝で得た自信のほうが大きいです」と笑う。来季のJLPGAツアー前半戦の出場権を得る2位以内が今季の目標だが、最後までツアーの主役を演じるためにも、さらにショット力を磨いていく。


<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

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