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2023.4.15

会心のワンショット 有村智恵-故郷でエース達成

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

KKT杯バンテリンレディスオープン 熊本空港カントリークラブ(熊本県)第2日

 やっぱり、もっている。これ、スター選手の証だろう。今季は休養を宣言していた有村智恵が主催者推薦で、地元・熊本の今大会へ出場。この日、8番でホールインワンを達成し見事、期待に応えた。

 「めちゃめちゃ、うれしい。とても難しいロケーションだった。打ち下ろしで高低差が12ヤードぐらいある。しかも、風が強い」と状況を説明。通常は6U、もしくは5Uが適クラブだが、「大きめのクラブでイチかバチか-の勝負。低めの弾道で狙った。インパクトの時、手応え十分。ピン手前、5ヤードにボールが落ちてカップへ向かっていきました」と、解説のおまけつきである。

 自身、エースは通算6回目。ツアー1位へ再び、並んだ。「去年、藤田(さいき)さんが先に6回目を…。記録に関してはもちろん、意識をしていた。私と、どちらが先に更新するか、とひとりで勝手に設定したほどです。今年は、試合には出場しなくなったし、ここでしっかりとれた。あしたは、もう1回」と瞳が輝く。

 休養の予定が、今大会は特別協賛する興和株式会社とスポンサー契約をしている関係もあり急転、出場へ踏み切った。「出られるかもしれないと感じたのは、3月へ入ってから。決断したのは3週間前ぐらいかなぁ。でも、不安はたくさんあった。そうはいっても、地の利がある。知り尽くしたコースです。たくさんの経験も、助けてくれるだろうと思いました」という。

 さらに、「19年大会の最終日、パー4の17番でイーグルを決めた。しかし、イーグルとホールインワンはまったく別物ですね。とにかく、うれしいことは、熊本の皆さんの前で、光るプレーをお目にかけることができたこと。役割を果たせた。私はなんて幸せなのでしょう」と、少しだけ余韻に浸ったものの、プロの闘争心が再び、燃え上がってきた。

 「きょうの8番ホール。カメラマンさんが誰もいなかった」と、ジョークをまじえて、「あす、もちろん狙います。他のパー3でも。きょうはバーディーがひとつだけでした。何もこわいものはない。攻める。もう一度、いい思い出をつくりたい。あわよくば優勝争いができたら-」と加える。ちなみに、今大会3位以内なら次週も出場が可能。「出られますね…」と、思わせぶりな笑みを浮かべながら、会見を終えた。手八丁口八丁の1日をあすも、また-。

(青木 政司)

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