1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. パクミンジ 待望のJLPGAツアーデビュー

2023.5.3

パクミンジ 待望のJLPGAツアーデビュー

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)

 衣食足りて礼節を知る。プロとしてJLPGAツアーへ初出場するパクミンジは、そのことわざ通りの選手だった。

 この日、プロアマトーナメント後に行われた囲み取材。たくさんの取材陣を前にして、「はじめまして。パクミンジと申します。どうぞ、よろしくお願いいたします」と、日本語で自己紹介を行うと、意外なスタートに驚きを隠せなかった。

 2年連続で6勝をあげKLPGAツアーで2年連続の賞金女王へ輝いている。ロレックスランキングも今大会出場選手では、山下美夢有の23位に次ぐ、26位。どんなプレーを披露してくれるか、実に楽しみである。

 来日は3回目。「初来日は13歳でした。母と一緒に沖縄で練習とトレーニングをして、2回目はアマチュアの日韓戦でした。プロとして、ようやく日本でプレーすることができる。ようやくです」。ようやく-を繰り返したのは、大の親日家だからだった。というのは、母キムオクファさんはハンドボール選手。現役時代、日本の実業団で8年間プレーした。

 しかも、ただの選手ではない。84年のロスアンゼルスオリンピックで銀メダルを獲得。これが韓国にとって、団体競技で初のメダル獲得となり、国民的なヒロインになったそうだ。関係者によると、「日本でいえば、東京オリンピックの女子バレーボール、東洋の魔女のようなフィーバーでした。映画までつくられたほどです」と話している。

 アスリートのDNAを母からも受け継ぎ、ここ数年、メキメキと頭角を現してきたのだという。「韓国でも週に2度は日本食です。健康を意識すれば、しゃぶしゃぶがいい。でも、一番好きなのはおすしです。それから、日本酒を飲みたいときはおさしみ。今夜は何を食べましょう」と言葉が弾んだ。

 一方で、日本から学んでいるのは礼節だ。「たとえば、道を歩いていると、反対方向から歩いてきた方とぶつかりそうになることがあります。そんなとき、日本ではぶつかってもいないのに、すみませんと皆さんがあいさつをする。文化の違いはあっても、こんなに礼儀正しいのは日本だけです。私はそんな人になりたい」と口調に熱を帯びてきた。

 それだけに、今大会へかける意気込みがすごい。「コースは隅から隅まで管理が行き届き本当に素晴らしい。そんな環境を与えてくださったスタッフの皆さんへ心からありがとうと申し上げたいです。もちろん、優勝を狙っているけど、これほどまでに素晴らしいコースでは負けた時のいいわけが見つからない」と敬意を表し、日本のファンへ、「韓国では、明るく、迷いなし、力強い-がパクミンジらしい、といわれている。今大会でもそんなプレーをたくさん披露できたら幸せです」と準備万端といった状況だ。

 パッティングでは今、韓国で流行中という、見たことがないカラーのパターマットを取り出し、最終調整を行った。現在、24歳。JLPGAツアーでは黄金世代にあたる逸材である。

(青木 政司)

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

年を選ぶ arrow
月を選ぶ arrow
カテゴリ arrow
search検索