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2023.5.5

吉田優利の真骨頂『苦しいほど楽しい』

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン公式競技・第1戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,400万円)大会第2日が5月5日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部 西コース(6,780ヤード/パー72)で行われた。通算4アンダーとスコアを伸ばした吉田優利が首位。4打差の通算イーブンパー、2位タイへ小祝さくら、リハナが浮上した。連覇を狙う山下美夢有は通算3オーバー、9位タイ。
(天候:晴れ 気温:24.6℃ 風速:4.7m/s)
《グリーン=スティンプ:13 1/2フィート コンパクション:24.5mm》

 吉田優利が好調をキープ。2日間連続でアンダーパーをマークし、通算4アンダーとスコアを伸ばした。「スコア以上に満足度が高いラウンド。セッティングが難しいと楽しくなる。コースのスタッフの皆さんの努力を、私たちが一番身に染みて感じています」。感謝の言葉からスタートした公式会見は、さまざまな人生観を織り込みながら、それこそ満点だった。

 この日は10番スタート。前半、3バーディーを奪い、ノーボギーと抜群の安定性を披露した。ただし、楽々ではなかった。12、13、15番では難しいパーセーブに成功。好調の要因のひとつにパッティングをあげている。

 「グリーンの仕上がりが良すぎるぐらい。ただ、私はラインがしっかり読めています。カップインの方法は何通りもあるけど、これだけの素晴らしいグリーンでは時間を追うごとに選択肢が狭められる。グリーンが硬くなる午後になると、それこそ狙いは、ひと筋。そのひと筋が決まった時の感触は、まさにプロ冥利です」といい、自身のパッティング三大要素を話した。

 「ラインどり、回転、スピードです。この3つがしっかりできていれば、たとえ外れても仕方がありません。そんな時は、結果がでなくても、三大要素のどれかひとつが欠けているだけ、と納得できる。今大会は特に評価の基準を厳しく設定。私にとって、パッティングとショートゲームは生命線ですから、本当に気持ちのいいプレーができている」と確かな手応えを得ている様子だ。

 なるほど、5、6番で連続ボギーを叩いても、「スイングが崩れていると判断できた。もう少し、早く修正できていればよかったけど、立て直せている。どんなことかといえば、感覚的なもの。気持ちよくアドレスする。まっすぐ立つ-など基本的なことが多い」とポイントをあげている。

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 そして、最終9番で三大要素-を体現してみせた。残り174ヤードの第2打を8Iでピン奥6メートルへ。美しいバーディーに大ギャラリーが沸いた。5日は子どもの日。コースには多くのジュニアの姿が目立った。「100人をこえる選手が出場している。その中で私を見てくれた。ジュニアから吉田優利のようなプロゴルファーになりたい。そう思ってくださるような選手になることも目標のひとつです」と前置きし、「私は子どもの頃から、上田桃子さんの格好良さにあこがれ、テレサ・ルーさんのようなスイングを理想としてきた。あこがれた方はずっと追い続けるもの」と続けた。

 その上で、「出場するどの試合でも優勝を飾りたい。でも、結果だけを追い求めずに、プロセスを大事にすることも大切。勝負には運もある。運を引き寄せるような選手になるためには、徳を積むことです。周囲の方に対する態度などは両親や多くの方から、教えていただいた。人としてもっとも大事」とひと息ついて、自身の徳を語っている。

 「ささいなことです。ごみを拾うとか、赤信号で横断はしないなど、人が見ていないところで行う」。陰徳あれば陽報あり-を、ぜひ拝見したい。

(青木 政司)

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