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2023.5.13

試合ごとにパターを七変化 青木瀬令奈が目標の複数回優勝へリーチ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第11戦『RKB×三井松島レディス』(賞金総額1億2000万円、優勝賞金2160万円)大会第2日が5月13日、福岡県福岡市・福岡カンツリー倶楽部 和白コース(6299ヤード/パー72)で行われ、6アンダー、1ボギーの67をマークした青木瀬令奈が通算8アンダーで申ジエ、岩井明愛に並び首位に浮上した。1打差の通算7アンダー、4位に福田真未。通算5アンダー、5位タイで川岸史果、山下美夢有が続く。
(天候:雨 気温:17.7℃ 風速:2.1m/s)
《グリーン=スティンプ:10 2/3フィート コンパクション:23.5mm》

 2017年、21年、22年に1度ずつ優勝し、今季も3月のTポイント×ENEOSを制している青木瀬令奈にとって、当面の目標は「シーズン複数回優勝」。6バーディー、1ボギーの67をマークして岩井明愛、申ジエと首位に並び、目標へリーチをかけた。

 長いバーディーパットが、面白いようにカップに吸い込まれていった。2番、パー3でピン手前4メートルからスライスラインを読み切り、この日最初のバーディーを奪ったのが皮切り。4番、パー5では「ゼロライン(上りの真っ直ぐなライン)でしたが、20メートルくらいあった」と言う超ロングパットを沈めた。その後も5番ではピン奥からの7メートル、7番では4メートルの下りスライスライン、13番では7メートルの上りフックライン、そして17番でも3メートルの下りを、ことごとく決めたのだった。

 「今大会には、去年のエースパターを導入しています。今年はエース不在で、大会ごとにパターを替えている中で、ここの芝の場合はヘッドに重さがあった方がいい、このパターが合いそうだと直感がありました。実際にタッチが良くて、微妙な距離でも狙っていけました」と好調の要因を明かした。

 昨季は38試合に出場し、使ったパターは10種類に満たなかった。ところが今季は現時点で、10試合全てで使用しているパターが違う。1月の沖縄合宿でパッティングコーチのアドバイスにも耳を傾けたことがきっかけだった。「芝の種類や湿度によって、どれほどボールの切れ方が変わるかを細かく教わり、今年は毎週芝に合わせていろいろやってみようと決めました。そのお陰で、大変なことになっています」と笑う。「今年はクラブセットとは別に、パターだけを14本くらいトラベルカバーに入れて持って行こうかと考えたことまでありました」とも。

 こうした工夫、向上心は全て、「今年は絶対2回以上優勝したい」という強い思いから発生している。もっとも、大会ごとに違うパターを使いこなせるのは、2011年のプロ転向以来の、長いキャリアに裏打ちされた技術があればこそだろう。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 前週のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップは、固くて速いグリーン上での神経戦となり、青木自身は16オーバーで32位タイ。普段から食事をともにするなど仲のいい吉田優利が1オーバーで優勝した。「優利さんの優勝には感動しました。あのコンディションの中でも、バーディーを取ってスコアを戻す。改めて、私にもまだまだやれることがあると思いました」と刺激を受けている。

 目標達成がかかる残り18ホール。和白では過去9年での最高が昨年の11位タイ(5アンダー)で、予選落ちも3度ある。青木は「いい成績を残した印象があまりないので、ここで勝つイメージは……」といったん言葉を濁した後、「いいえ、パターのいい感じを生かして、バーディーを取りたい。優勝を目指して頑張ります」と力を込めて言い直した。大願成就なるか。

(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)

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