1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. P.サイパン、またもPOを制してステップ2勝目

2023.10.7

P.サイパン、またもPOを制してステップ2勝目

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2023シーズン第17戦『かねひで美やらびオープン』(賞金総額2000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が10月7日、沖縄県名護市・かねひで喜瀬カントリークラブ(6577ヤード/パー72)で行われた。通算6アンダーで並んだP.サイパンと石川明日香とのプレーオフに持ち込まれ、1ホール目でバーディーを奪ったP.サイパンが6月のECCレディス以来となる、ステップ2勝目を飾った。1打差の通算5アンダー、3位タイは最終日首位スタートの石川怜奈、種子田香夏、工藤優海、大須賀望。沖縄県勢上位は、通算3アンダー、9位タイにルーキー・千葉華が入った。
(天候:晴れ 気温:30.6℃ 風速:3.8m/s)

 “勝負は下駄を履くまで分からない”とはよく言ったものだ。最終日を首位と3打差の5アンダーでスタートしたP.サイパン。「積極的にバーディーを奪っていけば十分逆転できる差」と優勝を意識して1番パー4をティーオフした。ところが、力んだ分タイミングが合わなかったのか、ボールは右へ打ち出され、カート道に跳ねた後OBゾーンへと消えていった。なんとかボギーでホールアウトしたが、迎えた2番パー4ではさらなる試練が待っていた。

 ピンまで約200ヤード地点から放った第2打が右からの風に流され、グリーンの左奥まで飛んで行ってしまった。一時はボールが見つからず、ロストボールも覚悟したが、運良く発見。しかし、気持ちが焦っていたこともあり、アプローチでミスが続く。結局、5オン1パットのダブルボギーを叩き、優勝戦線から離脱することになった。

 「その時点で1ホール、1ホールをしっかりプレーしよう。自分のベストを尽くすことだけに集中しようという考えに切り替えました」。ある意味、開始2ホールで3打落としたことで、自分のゴルフを取り戻したのかもしれない。続く3番では5メートルのバーディーパットを沈めたが、目の前の1打に集中する気持ちに変化はなかった。

 4番から11番までパーを重ねると、12番で3メートル、14番ではカラーから4メートルを沈めてバーディーを奪う。さらに続く15番では60度のウェッジで6メートルをチップインさせると、いつの間にか通算6アンダーで首位タイに並んでいた。ただ、そのことにサイパン自身は気がついていない。「トップは8アンダーぐらいだろうと思い、自分は1つでも順位を上げることしか考えていませんでした」。最終18番をパーでホールアウトした直後に、石川明日香とのプレーオフに進出することが分かったというから驚きだ。上位がそれほどスコアを伸ばさなかったこともあったが、無欲でのプレーがあったからこそのプレーオフ進出だったのは間違いない。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 「正直、心の準備はできていませんでした」というものの、ティーショットでフェアウェイをとらえると、第2打は3番ウッドで残り78ヤード地点まで運ぶ。正規の18番ではトップにいることを知らず、イーグル狙いで第2打に直ドラを選択したが、優勝がかかるとなれば、当然のように攻め方を変えた。第3打を54度でのハーフショットでピン左3メートルに乗せたサイパン。「緊張で手が震えていました」。ステップアップツアーで初優勝を飾ったECCレディスの後、パッティングの不調に喘いでいた。パッティング専門のコーチに教わるうちに徐々に調子を取り戻したが、ウイニングパットとなればプレッシャーがかかるのも理解できる。慎重にストロークすると、ボールはカップの中へ。ステップアップツアー2勝目を手にしたが、どちらもプレーオフでの勝利と、勝負強さもアピールした。

 これで賞金ランキング6位に浮上。今シーズン残りの目標は「来季のJLPGAツアー前半戦の出場権を得られる賞金ランキング2位以内です」。残り6試合中5試合に出場するので十分チャンスはある。今回の優勝で精神的にもひと皮むけたサイパンが見せる今後のゴルフに注目だ。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

年を選ぶ arrow
月を選ぶ arrow
カテゴリ arrow
search検索