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2023.10.7

脱パーフェクト 復調・柏原明日架へ注目

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント 東名カントリークラブ(静岡県)第2日

 目指したのは脱・完全主義。柏原明日架が久々の優勝争いを前に笑顔が絶えない。「楽しみです。前週、原さんと菊地さんの優勝争いを毎日見て、いいイメージができあがっている」と言葉が弾んだ。

 プレーが楽しい-まさにこの日は全身でそんな気持ちを表しているかのよう。母・友美さんとコンビを組んで7バーディー、1ボギーの66をマーク。「5メートル以内のバーディーチャンスが今年で一番多かったラウンド」といい、最終18番でもピン奥3メートル、下りのスライスラインを決めて、バーディーフィニッシュである。

 自己ベストシーズンはツアー2勝をあげた19年。ところが22年から不調に陥りシードを喪失し、昨オフから新たな挑戦をスタートさせた。7歳から父・武道さんの指導でクラブを握り、プロ入り後も変わらず、指導を受けていたが昨オフから、森守洋コーチへスイッチ。

 「元々、森コーチが気にかけてくださって。オフに父からすすめられ、そうなりました」と前置きし、「父と私は性格が同じ。完ぺき主義でたとえ100点でも、どこか直すところはないか-そう思ってしまうところがある。ダメなところを2人で追及していた。当然、意見が衝突します。それが森コーチは私と正反対の性格。極端な話をすると、予選落ちをしても、勝てるよ-となる。いい面が常に先。第三者の目が必要だと感じたのは、父も私も同じでした」と経緯を語った。

 もちろん、外見が変わったわけではない。しかし、経験を積みながら年齢を重ねれば、内面が大きく変化している。「スイングなどの技術はもちろんだけど、最近はいい意味で自分を許せるようになってきた。これがすごく大きい」と口調に熱が帯びてくる。

 序盤はなかなか成績が伴わなかったものの、「それは飛距離が20ヤードぐらいのびた影響でしょう」。当然ながら、マネジメントも変化する。試合を重ねながら、ようやく準備が整ったということだろう。

 「オフから試行錯誤の連続。秋を迎えて、それが成績へ直結するようになったと感じます」と確かな手応えを得た。まさに、これからが収穫の時。次週は所属先の大事なトーナメント、その翌週は歴代チャンピオンに名を連ねる大会が待っている。

 「秋になると、皆さんが得意の季節ですね-そういってくださることがうれしい」。復活の足音が聞こえる。

(青木 政司)


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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