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2023.11.4

スタイヤーノ梨々菜-完全Vでプロ初優勝

<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2023シーズン第21戦『明治安田レディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が11月4日、大阪府茨木市・茨木国際ゴルフ倶楽部(6,287ヤード/パー72)で行われ、スタイヤーノ梨々菜が通算14アンダーで優勝。大会第1日、自己ベストの64をマークし、首位に立ち、圧巻のパーフェクトVでプロ初優勝を飾った。2位は通算11アンダーの河本結。柏原明日架が通算9アンダーの3位。
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 即断即決。おそらく誰にもわからなかっただろう。スタイヤーノ梨々菜の変貌を。ほんの少し、ルーティンを変えた。そして、優勝をつかんだ。

 この日は同期の河本結とマッチレースの展開。まさに一進一退の勝負だった。1打のアドバンテージを握り、終盤へ。15番の第1打を左へ曲げてしまう。しかも、ボールはティフトン芝にすっぽり埋まっていた。深呼吸をして挑んだ第2打。5Uを選択し、鮮やかなリカバリーショットを披露した。ピンまで約16メートルあったが、しっかりとグリーンをとらえる。

 「河本さんも左へボールを曲げていたし、もしここで私が3パットをしたら、流れが変わる。ただ、上がって下るラインはすごく難しい。それでも安全策ではなく、バーディーを狙った。カップには入らなかったけど、オッケーの距離までに寄せることができたし、このホールがターニングポイントです」と説明した。一方、河本はここでボギーを。残り3ホールで、2打差へ広げた。

 さらに17番。残り55ヤードの第2打を58度で、ピン3メートルのバーディーチャンスをつくった。ここでもより集中力が高まる。しっかりとカップインさせ、優勝を確信した。


<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 デビューして7年が経つ。これまでもステップ・アップ・ツアーでは何度も優勝争いを演じてきた。ところが、勝てそうで勝てない。「前週のことです。素振りをたくさんしても、うまくいくわけではない。最も大切なことはイメージを大切にすること-とコーチからアドバイスを受けた」といい、「ずっと、スイングの前にどうやってクラブをあげようか・・・。そう考えて、素振りをたくさん。それを今回から、やめました。構えたら、スッと打つイメージを優先。これが良かった。ほんのわずかなことですけどね」。

 丁寧すぎるルーティンは迷いをうむ。そんな少しの不安がクラブへ伝わり、ミスにつながる。劇的に変化したのはプレーだけではない。当初、今大会は出場を予定していなかった。「ファーストQTの練習ラウンドへ行く計画。でも、ウェイティングで出場できるかもしれない。わずかな可能性にかけてみました。練習ラウンドはしていないけど、プライベートでプレーしたことがあります」。

 こちらの決断までプラスだった。第1日、自己ベストの64をマークし、ロケットスタートを決め、最終日までトップを快走。第2日以外、ノーボギーラウンドをマークしたことも、自己変革の証である。

 最終ホールではグリーンの近くに多くの選手が集まっていた。気さくで親切な人柄がそうさせたのだろう。「たくさんのおめでとうが、とてもうれしい。本当に皆さん、ありがとうございます」と区切り、「次週も優勝を全力で目指します」と語った。

 7年間の努力が、ある日突然に-。思考ひとつで大きく変わる。ゴルフはやはり、メンタルのスポーツだ。


<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

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