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2023.11.12

奮闘の2位 木村彩子-これが委員長の意地

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

第39回伊藤園レディスゴルフトーナメント グレートアイランド倶楽部(千葉県)最終日

 やらなければならない理由があった。木村彩子が2位フィニッシュ。最終日、ベストスコアタイの65をマークした。ホールアウトすると、青木瀬令奈が駆け寄り、「ナイスプレー。おめでとう」と祝福。優勝したわけではなかったが・・・。

 実はこんな舞台裏がある。何としても今季、シード権を確保しなければならなかった。この日のチャージでメルセデス・ランキングは41位へ上昇。シード安泰を確定させた。選手としてはもちろんだが、もうひとつ大事な役割を担っている。プレーヤーズ委員会の委員長。「何とか面目を保つことができて、ホッとしている。仮にこのシーズンで、シード落ちしたら合わせる顔がありません」と必死だった。

 委員長就任の経緯は、「去年から、瀬令奈さんから(プレーヤーズ委員会へ)どう? と声をかけていただいた」ことがきっかけ。「まさか、まさか-でしたけど、いきなり委員長の大役を仰せつかった。前委員長・瀬令奈さんは副委員長で、バックアップしてくださるつもりだったらしい」と説明した。

 ちなみに、青木は、「先輩、後輩が気持ちよく意見が言える人。それに気配りがある。話を聞く耳が優れています」とタイコ判を押している。それだけに、「今年は不慣れのせいか、あまり多くのことができなかったけど、来年は酷暑の熱中症対策などについて、動きます。私自身のプレーはもちろんですけどね」と、背筋をピーンと伸ばして語った。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 この日、首位から4打差の8位タイからスタート。「できれば優勝を狙いたい。ただし、ボギーを叩かないように・・・」を目標にしていた。前半は2バーディー。「雨が降っていて、すごく気温が低い。そのせいか、第2打の距離感がいまひとつだったけど、後半は体が慣れてきたせいか、スイングがスムーズになってきた。スコアボードをこまめに見ながら、エンジン全開です」と順位を上げていく。10、13、15番でバーディー奪取。しかし、差はなかなか詰まらない。

 「話を聞かれるたびに、リコーカップ出場といったけど、本当はシードをとれるか・・・。それが一番気になっていた。今回は今年、一番成績がいい2位。頑張りました。次週は得意のコースで、私にとって2週連続の大一番。宮崎へ行けるか。松山で終わるか-でしょう」。現時点で、ランキング35位なら出場権を得る。委員長の底力をとくと拝見しよう。

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