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2023.11.15

申ジエ、悲願である年間女王は追い上げる立場の方がいい

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

第42回大王製紙エリエールレディスオープン エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)

 メルセデス・ランキング1位の山下美夢有に9.32ポイント差の2位にいる申ジエ。実質あってないような差だが、それでも申は2位がいいという。「必然的に頑張ろうと集中しますからね」。1位に立てばどうしても逃げ切れなければいけないプレッシャーに襲われる。しかし2位なら単純に逆転するために頑張るしかないと考えるだけだ。

 シーズン途中で1位に立ち、NOBUTA GROUP マスターズGCレディースまではその座を守った申だが、樋口久子 三菱電機レディスで山下に抜かれ、2位に順位を落とす。次戦となったTOTOジャパンクラシックの週、そんな申にある変化が訪れた。

 「第1日の朝、時間どおりに起きることができず、そのまま2時間ぐらい寝過ごしてしまったんです。20-30分ぐらいならありますが、そんなに寝過ごしたのは初めてでした」。普段は7時間ぐらい寝ているが、この日は目覚まし時計代わりに活用していたスマートフォンの電池が睡眠中に切れてしまったため、ぐっすりと寝てしまったという。心配したスタッフが部屋のドアをノックしたことでようやく目を覚ました。「でも、そのとき思ったんです。よく眠れたということは、自分にはまだ余裕があるんだなって」。逆にいえば、それだけ1位のプレッシャーが大きかったのかもしれない。

 今大会は17年に制した経験を持つ申。コースとの相性は悪くないというが、それ以上に試合会場の雰囲気によって自然と気合が入る。「選手によっては最後の試合になるかもしれないと思って頑張ろうとしますし、特にシード権がかかっている選手は必死でプレーします。そんなピリピリ感が伝わってくると、私も頑張ろうと思えてくるんです」。試合展開にもよるが、今年も前向きな選手とラウンドすることで、申がスコアを伸ばす可能性は十分ありそうだ。

 ただ、年間女王に対する気負いはない。「結果も大事ですが、私はそれまでの過程に集中したいです。自分ができる最大限の頑張りを見せれば、結果はついてくると思います」。シーズン終了までいよいよ残り2試合となったが、申に気負いはない。前週は欠場して韓国へ帰ったが、トレーニングや練習はできたものの、スケジュール的に忙しく、今大会に向けてベストな状態に仕上げるまでには至らなかったという。そういいながらも、表情には逆転女王に向けての自信も少なからず見られた。まずは、第1日からしっかりと結果を出すつもりだ。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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