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2024.1.11

JLPGA新しいヒロイン《95期生・ウー チャイェン》

<Photo:Atsushi Tomura/Getty images>

ウー チャイェン=2004年3月25日、台湾新竹市出身

 昨年12月に行われた95期生によるJLPGA新人戦加賀電子カップ。ウーが2位以下に4打差をつける圧勝で幕を閉じたが、彼女の実績を考えればさして驚くことではないだろう。20年5月に16歳の若さで台湾ゴルフ界にプロデビューすると、3年間で8勝を挙げる活躍を見せる。日本でも18歳だった22年に来日してプロテストに一発合格。23年はステップ・アップ・ツアーで3勝を挙げて賞金ランキング1位となり、24年の第1回リランキングまでの出場権を獲得した。まだまだ粗削りなところがある19歳だが、爆発力も備えており、JLPGAツアーでもシード権獲得どころか、優勝を十分狙える逸材だ。

 そんなウーだが、現在不安に思っていることが2つあるという。「1つが体力です。台湾ツアーでは年間16~17試合しかなく、連戦もそれほど多くありません。月に多くても3試合で、1試合も開催しない月もあります」。ステップ・アップ・ツアーも前半戦に4連戦以上はなく、後半に連戦が続いても3日間大会が多いので、それほど苦にはならなかった。ところが、今季のJLPGAツアーでは、7月に2つのオープンウイークがあるものの、それ以外は全てスケジュールがトーナメントで埋まっている。しかも、ステップ・アップ・ツアーより4日間大会が多い。自分の意志で欠場しない限り、果てしなく連戦が続くことになる。

 「対策としては、週2回ですがシーズン中からトレーニングを行うようになったので、その効果がどこまで表われるか次第だと思います」。今季は4勤1休か5勤1休のスケジュールを予定しているが、身長155センチ、体重52キロと決して恵まれた体格ではないだけに、体力勝負に勝てるかどうかも注目される。

 そして、もう1つの不安がパッティングだ。「台湾と日本ではグリーンのスピードが全然違うんです。日本と比べると相当遅いと思います」。あくまでもウーの経験によるものだが、台湾ではスティンプメーターで8~9メートルで試合を行うのが普通であり、大きな試合だと10メートルで行われるという。JLPGAツアーでも9メートル台の試合はあるが、11メートル後半の試合もある。慣れなければ相当戸惑うかもしれない。もっとも昨年のステップ・アップ・ツアーで、ウーの平均パット数(パーオンホール)は1.7593(1位)であり、対応力は十分あると思われる。

 「でも、JLPGAツアーの方が速いですし、傾斜にカップを切っている試合も多いので、しっかりとラインを読んで対応できるようにこのオフは練習したいです」と、不安解消に努めるつもりだ。気になるのはオフに台湾ツアーで数試合出場すること。日本の開幕戦までにパットの感覚をどこまで修正できるかがカギを握るかもしれない。

<Photo:Shintaro Wada/Getty Images>

 ウーの師匠は国内女子ツアーで7度の賞金女王に輝いている涂阿玉だが、その涂に一歩でも近づくことが将来の目標だという。「日本のツアーで年間女王になりたいですし、達成できたら連続してタイトルを保持できるような選手を目指します」。同学年には櫻井心那、神谷そら、川﨑春花、尾関彩美悠といった、JLPGAツアーで優勝している選手が顔をそろえる。「本当に強い世代だと思いますし、彼女たちに追いつきたいです」と、同世代ナンバーワンも視界に入っている。そのためにも、はじめの一歩として今季はツアー初優勝を飾りたいところだ。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)

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