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2024.3.24

臼井麗香が悲願のツアー初制覇 98年度世代では14人目の優勝者

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン第4戦『アクサレディスゴルフトーナメントin MIYAZAKI 2024』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)最終日が3月24日、宮崎県宮崎市・UMKカントリークラブ(6,545ヤード/パー72)で行われたが、10時50分に降雨によるコースコンディション不良のため競技中止が決定した。その結果、前日まで通算13アンダーで単独首位だった臼井麗香が優勝。悲願のツアー初優勝を飾った。1打差の通算12アンダー、2位に山下美夢有。通算10アンダー、3位に小林夢果。

 「私の中では宝塚歌劇団の舞台をイメージしていたんですが、それは2勝目のときにとっておきます」。ツアープロなら誰もが手にしたい優勝の二文字。臼井麗香は、大ギャラリーが囲む最終18番ホールのグリーンへ同劇団のトップスターのように上っていくシーンを思い描いていた。ウイニングパットを決め、ギャラリーからスタンディングオベーションを浴びたかった。ところが、現実は待機していたクラブハウス内に流れた競技中止のアナウンスで優勝を知ることになる。それでも、嬉し涙が止まらなかった。苦労した時期の場面が頭をよぎる

 「初シードを獲得して、全試合出場できる翌年のシーズンが一番苦しかったです。毎週のように、練習ラウンドではもうゴルフを辞めたいと泣きながら回っていました」。イメージどおりのボールを打てないだけでなく、20ヤードぐらい飛距離が落ちたことで、どのようにゴルフをしていいのか分からなくなった。その理由はスイング改造にあった。

 「調子が良かった21年は2位にも2回入りましたが、逆に1位の壁を感じたんです。その差を埋めるにはスイングを変えることかなと」。以前は方向性重視だったこともあり、ティーアップの高さを2センチまで下げ、スイングリズムを重視してボールを打っていた。しかし、勝つためには飛距離が必要だと考え、自分のキャパシティを超えるほど大きなスイングになり、それに比例してボールの曲がりも大きくなった。22年の賞金ランキングは113位、23年は出場14試合中2試合しか予選通過できず、メルセデス・ランキングは134位と不調は続いたことで、スイングを変更。ティーアップを標準レベルに戻し、ダウンブローからレベルブローに変えると同時に、自分の可動域の範囲内に収まる大きさのスイングへ。その結果、徐々に方向性が安定してきた。

 あとは自分のゴルフがどこまで通用するかだったが、昨年のNOBUTA GROUP マスターズGCレディース以来、5か月ぶりとなる今大会はまさにその試金石だった。結果的に最終日が中止となったため、36ホールの短縮競技となったが、65、66をマークし、13アンダーまでスコアを伸ばしたのは方向性が間違っていなかった証拠だ。

 「今週は本当に自信を持ってプレーできたし、スコアを伸ばすことに集中できました」と胸を張る臼井。今回の優勝で今季の試合にはほぼ出場できるだけでなく、来季の出場権も獲得。しかし、油断はない。「この優勝が奇跡と言われないように、2日間大会だからまぐれだと言われないように、次週からは2勝目が初優勝だという気持でやっていきます」と誓った。

 臼井が生まれた98年度世代は黄金世代と呼ばれるように、世代最多となる13人の優勝者を輩出していたが、臼井は14人目の優勝者となった。自身は30歳までツアーが活躍したいと語るが、この優勝で満足せず、さらに勝ち星を重ねていきたいところだ。

(山西 英希)

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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