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2024.4.11

メンタルを鍛えて混戦を抜け出した福山恵梨がステップ通算5勝目

<Photo:Shintaro Wada/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第2戦『フンドーキンレディース』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が4月11日、大分県臼杵市、臼杵カントリークラブ(6,449ヤード/パー72)で行われ、福山恵梨が逆転V。通算7アンダーで大会連覇を達成。ステップ通算5勝目を飾った。1打差の2位にアマチュアの山下アミが入った。
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 第2日を終えて通算5アンダーで首位タイに4人が並ぶという珍しい展開となった今大会。途中、顔ぶれこそ変わったものの、最終日の終盤を迎えてなお1打差に5人がひしめく混戦模様は変わらなかった。その大混戦を制したのは、昨年の今大会を制した福山恵梨だ。

 首位と2打差の3アンダー、9位タイでスタートした福山だが、いきなりスタートの1番・パー5で7メートルを沈めてバーディーを奪う。「調子に乗らず、慎重にいこう」と続く3ホールはパーセーブ。1メートルのチャンスにつけた5番・パー3でバーディーを奪い、ついに首位グループに加わる。

 ところが、11番・パー4でティーショットを左に曲げてまさかのOBを叩く。なんとかボギーで堪えたが、「流れが悪くなったからダメかな」と一瞬気弱になったという。それでも、「楽しくラウンドしよう」と、いい意味で開き直ったことが功を奏し、12、13番で連続バーディーを奪い、再び首位に並ぶ。

 圧巻だったのは、首位タイで迎えた最終18番・パー4だ。ピンまで残り88ヤードの第2打をピン上60センチにつけるスーパーショットを見せ、それを沈めてバーディー。昨年は見せなかったガッツポーズと満面の笑みで喜びを表現した。まだ後続2組がのこっていたものの、通算7アンダーで単独首位に立ち、この時点でほぼ優勝を決定づけた瞬間だった。


<Photo:Shintaro Wada/Getty Images>

 今回、福山のモチベーションを支えていたことが2つある。1つがこのオフに強化した精神面だ。「メンタルの本を何度も読んでいるんですが、その中に『どこか違うところから自分を見ているような気持ちでプレーしよう』と書かれていたので、それを心がけていました」。とかく、ゴルフの場合は気持ちがプレーに表われやすい。ましてや優勝争いともなればなおさらだ。福山の場合、自分を客観視することで冷静さをキープできたからこそ、11番のOBにもめげず、12、13番でバーディーを奪い、最終ホールのスーパーショットにつなげることができたのだろう。

 ちなみに、活字嫌いの福山が愛読しているのは、『空飛ぶゴルファー 潜在能力を引き出すメンタル論』(久瑠あさ美著)とのこと。今大会もパラパラとページをめくっては、気持ちを前向きにさせていたという。

 そして、もう一つのモチベーションが優勝副賞であるフンドーキンのしょう油だ。「福岡出身なので、九州の甘いしょう油じゃないとダメなんです。昨年、この大会で優勝して2カ月に1度の割合で送っていただいたんですけど、それが嬉しくて・・・。ぜひまた勝って送ってもらおうと心に決めていました」。聞けば、そのしょう油で母親が作る肉じゃがは絶品らしい。

 今大会の2年連続優勝でステップ・アップ・ツアーでは通算5勝目を飾ったが、もうこれ以上、同ツアーでの勝利は望んでいない。なぜなら、福山の目標はあくまでもJLPGAツアーでの優勝だからだ。「開幕したときから、今年はJLPGAツアーで優勝したいとずっと思っていました。出場できるチャンスは少ないと思いますが、なんとかそれを生かしたいです」。福山にとってJLPGAツアー初戦は2週後のパナソニックオープンレディースになる。まずはしっかりと予選通過し、上位に食い込んでおきたいところだ。

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