2024.10.27
ノーボギーは精進の証 竹田、吉本の場合
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)最終日
トッププレーヤーは常に最悪を想定し、最善をつくすもの。この日、ノーボギーラウンドにもかかわらず竹田麗央、吉本ひかるは反省の言葉を口にした。
5位タイ・竹田-。「ピンチらしいピンチはない。でも、自信をもって、ストロークできないところがあった。パッティングに自信がもてなければ…」と、振り返った。プロ3年目で年間7勝の原動力は、これで良し-と満足することがないことだ。もっと、強くなるためにはどうしたらいいか、を常に考える。
この日の進化は1Wだった。今大会からニューモデルの1Wを使用。しかし、第2日のプレーを振り返り、「右へ行く打球が少し多かった。クラブヘッドの入り方がちょっと悪い、と気がついた。そこで再び、従来のクラブを最終日に投入。「1年以上使っているもの。慣れているせいか、すごく安心感があった」と分析して、スイッチして成功する。
さらに、前週の予選落ちの要因を、「パッティングがカット軌道になっていた。終盤戦で、いい気づきになったと思います」とプラス要素に変化させた。さすがである。再び、上昇機運に乗せ、次週はTOTOジャパンクラシックだ。この試合で優勝を飾れば、Qシリーズ挑戦は不要。それでも、ごく控えめに、「すごく楽しみな試合です。だから今大会のトップ10は大きい。コースは初めてプレーする。練習ラウンドを入念に行いたい」と前置きし、「楽しみは笹生優花さんのプレーを拝見することです。同じように飛距離で勝負するタイプ。あのスピーディーなスイングを間近にできる。まだ、一緒にプレーしたことはありません」と、探究心も旺盛だった。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
8位タイ・吉本ひかる-。前週、竹田同様に予選落ちを喫した。「ショットが本当によくなかった。週末の練習で、ほんの数ミリ、右手の握りが上からになっていることに気がついた。たぶん見てもわからないぐらい、ほんの少し…。だから、フェードボールの出球が揃わなかった。まだ、パーフェクトとはいえないけど、すごく良くなっていますよ」と話している。
そして、前日との違いを説明。「パッティングのアドレスをした際、目線とラインが合っていなかった。少し右を見ていたんです。あくまで感覚だけど、アナログの時計で12時1分の状態を、12時にした」そうだ。5バーディーはその賜物といえそうだが、ナイスパットは、の質問に、「11番のパーセーブでしょう。8メートルはあった。実は、第2打をダフって、左バンカーへ入れてしまった。しかも足は外で、というめったにない状況。11番、全集中で乗り切った」。
次週は地元・滋賀で迎えるビッグトーナメントだ。「雰囲気を楽しみます。体調は終盤戦になってもすごくいい。ようやく、ツアーのペース配分、仕事とプライベートでオンとオフの切り替えがうまくいっているから」と語っている。
ちなみに今年、プライベートで一番の思い出といえば、「7月、オープンウィークにドジャースの試合観戦に出かけたことです。大谷さんを見に…。ホームランは出なかったけど、盗塁は見てきました」。なるほど、世界は近くなっている。
(青木 政司)
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