2025.10.12
河本結、完全Vで自身初の年間複数回優勝を達成
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2025シーズン第29戦『スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,160万円)大会最終日が10月12日、静岡県裾野市・東名カントリークラブ(6,435ヤード/パー72)で行われた。濃霧による視界不良のため、4時間遅れでスタート。セカンドカットの結果、上位30人による9ホール(※)での短縮プレーとなり、河本結が通算14アンダーで完全優勝。今季2勝目、ツアー通算4勝目を飾った。3打差の通算11アンダー、2位に岩井千怜。通算10アンダーの3位タイにペソンウ、福山恵梨、桑木志帆が入った。
(※変則9ホール/使用ホール:1番、9番、10番、11番、14番、15番、16番、17番、18番)
河本結が最終日を首位で迎えたとはいえ、2位以下との差はわずかに1打。雨の影響でグリーンが軟らかくなっていることを考えると、あってないようなリードだった。ましてや、濃霧の影響で9ホールの短縮プレーになったことで、どの選手も積極的にチャージをかけてくる。そんな状況でも河本に焦りは感じられなかった。
いつものように、前日に18ホール分のシミュレーションを行っていたが、「単にホール数が減っただけですし、風向きも同じだったので、影響はありませんでした」と振り返る。フェアウェイのどこにボールを落とし、どのような球筋でピンを狙っていくのか。単純にそのイメージに自分のプレーを重ねるだけしか考えていないため、ホール数が減ることは大きな影響ではなかった。
実際、スタートの1番パー4では、ティーショットをフェアウェイに置き、第2打をピン左2メートルにつけてバーディーを奪う。思わず、悪天候にもかかわらず来場したギャラリーに対し、感謝を込めて右手を掲げてアピールした。河本の勢いは止まらない。続く9番パー4でも第2打をピン上2メートルにピタリ。それを沈めて2位以下に一気に3打差をつけた。
こうなると完全に河本ペース。最近始めた“無の世界”を自分でつくり、目の前の1打に集中するだけだった。この日はラウンドの途中にリーダーボードを見る機会がなかったため、自分の順位を明確に把握できなかったが、前の組から聞こえるギャラリーの拍手からだれがバーディーを奪ったかなどを判断していた。最終的に9ホールで4つのバーディーを奪い、通算14アンダーでフィニッシュ。自身初の年間複数回優勝となる今季2勝目を飾った。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
今大会には、海外ツアーを主戦場にする選手が6人出場していた。彼女たちに対する尊敬の念もあるが、その一方で国内勢代表として、負けたくない気持ちもあったという。「日本のゴルフ界に貢献したい」という強い気持ちが、第1日から首位を守る完全優勝につながった。
今回の優勝でメルセデス・ランキングが3位に浮上した。「私の中では、最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップで優勝して年間女王になるイメージはできています」。同タイトルは黄金世代といわれる98年度世代はまだ手にしていないだけに、ぜひ獲得したいという。メンタル面の成長だけでなく、技術的にも今回の優勝で手応えをつかんだ河本。ランキングの頂点まで登り詰めるには、残り7試合は多すぎるかもしれない。
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