2015.10.3
機は熟した! 菊地絵理香がビッグタイトルに王手
<写真:Atsushi Tomura/Getty Images>
日本ゴルフ協会(JGA)主催の2015年度LPGAツアー公式戦『日本女子オープンゴルフ選手権競技』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,800万円)の大会3日目が、10月3日(土)、石川県加賀市の片山津ゴルフ倶楽部白山コース(6,613ヤード/パー72)で行われた。
首位と5打差からスタートした菊地絵理香が、7バーディー、2ボギーの67をマーク。通算4アンダーで単独首位に立った。1打差の通算3アンダー・2位に柏原明日架、通算2アンダー・3位にユソヨン、1アンダー・4位タイにチョンインジ、香妻琴乃がつけている。(天候:晴れ、気温:23.1℃、風速:3.2メートル)
この日、アンダーパーをマークしたのは、たった3人のみ。それもチョンインジと大山志保は、わずかに1アンダー。それらの数字が、今日の5アンダーがどれだけもの凄いことなのかを物語っているだろう。出場選手の平均ストロークが75を超えたハードなムービングサタデーに、公式戦初勝利を狙う菊地絵理香が、一躍ヒロイン候補に名乗りをあげた。
「優勝する人は何をやっても上手くいく」とは、明日同組で回る柏原明日架の言葉だが、もし今日が最終日だったら、菊地のプレーはまさにそのものだっただろう。前半の3バーディー、ノーボギーの33は言わずもがな、最大の象徴は15番パー4(400ヤード)のスーパーパーセーブだ。セカンドショットでグリーンに乗せられず、3打目はピン右サイドのラフから、12ヤードのアプローチ。ここでグリーンのカラーギリギリを落としどころに狙ったロブショットをショートさせてしまい、再びアプローチが残ってしまう大ピンチに。4オン2パットでダブルボギーもチラつく状況だったが、「ボギーでいいや」と再びカラーを狙ったアプローチが、今度は惰性で転がりチップイン。「ラッキーでした」と本人も苦笑いする一撃が飛び出すと、17番パー3(176ヤード)でも、「きちんと2パットでいこう」と打った13メートルのバーディーパットが、またまたまさかのカップイン。「全部が良い方向にいっていた」と笑顔で振り返る、まさに、何をやっても上手くいく一日だった。
「毎年この試合は頑張りたいと思っている」と言うように、『日本女子オープンゴルフ選手権』には特別な思い入れがある。その気持ちがさらに強くなったのが、2年前。最終日最終組で回り、優勝まであと一歩のところまで近づきながら、終盤の連続ボギーで栄冠をつかみ損ねた。それはもちろん悔しい思い出にはなっているが、それ以上に糧にもなっているという。「2年前にここで負けて、それがあったから今年の優勝があったと思っている」と悲願の初優勝の原動力にもなった。
「今はあの時と比べて考えられるようになった。余裕も出てきたし成長していると思います」とメジャータイトルへの手ごたえも自信もある。「2年前は、最終組ではなく、1つ前の組とかで回りたいと思っていましたが、今は最終組で回りたいと思っています」と望んだ通り、明日は念願の最終組となった。「リベンジじゃないですけど、いいプレーをして、自分に勝ちたい」。相手は他の誰でもない。2年前の弱い自分だ。
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