史上初の2億円突破を達成！イボミの賞金女王が確定

＜写真：Atsushi Tomura /Getty Images＞

　2015年LPGAツアー第35戦『伊藤園レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)の最終日が11月15日、千葉県長南町のグレートアイランド倶楽部(6,639ヤード／パー72)で行われ、イボミ（韓国）が通算14アンダーで完全優勝を飾った。今季の通算6勝目は、賞金女王、年間獲得賞金2億円突破を達成したスーパーV。2打差の通算12アンダー、2位は青木瀬令奈、通算10アンダー、3位タイは堀琴音、テレサ・ルー（台湾）が入った。(天候:雨、気温:16.5℃、風速:1.7m/s)

　目標は高く、夢は叶えるもの。今季6勝目、通算14勝目を飾ったイボミは、賞金女王、そしてLPGA史上初の年間獲得賞金2億円突破という、金字塔を打ち立てた。「優勝が決まった時は、なぜか夢のように何も感じなかった。でも、時間が経つにつれ、ジワジワと喜びが湧いてくる。本当にうれしい。亡き父の夢、それを受け継ぎ、私を支えてくれた母の夢を達成することができました」。この日の天候は、雨のち、曇りのち、そして晴れと目まぐるしく変化していった。しかし、イはしっかりと優勝だけを目指し、全くブレることなし。「今大会、優勝して2億円、それから賞金女王を絶対に決める！と自分へプレッシャーをかけた。きょうは私自身が、私に負けないように頑張りました」と振り返る。また、「10番で左へのミスがあった。でも、そこからパーをセーブすることができたので、優勝できると感じましたよ」と明かした。

　そこまで自信を持って挑戦できたのは、「私の人生を変えた」というコーチのチョ・ボムスさんが見守っていたからだ。「いつも、練習日だけで帰国するコーチが、今回は『試合を見る』と残ってくれました。先生の目前で初めての優勝。本当に良かったです。18ホール、安定したプレーができたのも、先生が見守ってくれている、という安心感があったから」という。今大会は連日、ホテルの自室で就寝前、チョさんと、カーペット上でパッティング練習を繰り返したとも。高校2年から指導してきただけに、その進化には、チョさんも驚きを隠せない。「教え始めた当時は素朴な、いなかの子、という感じだったことを覚えている。小柄だけどパワフルで練習の虫。タイミングとバランスがどんどん良くなっていきました。私も賞金女王になった瞬間に立ち会えて、幸せな1日でしたね」。

　表彰式。見上げると、空には虹が出現。イを祝福しているかのようなシーンも印象的だった。笑みを浮かべた、イは虹の彼方に何を見つけたのだろう。「きっと、天国の父が喜んでくれたのだと思います」。とはいえ、これでひと安心とはいかない。なぜなら、ツアーは2戦を残しているからだ。「次の目標を立てるのは、今年の試合がすべて終わってから。いくら目標をクリアできたといっても、やっぱり出る以上は優勝を目指します。日本ツアーへ出場した時は、まさか賞金女王を獲れるとは、思っていなかった。それから、たくさんの日本の皆さんが私を応援してくださるとは…。これも夢のような出来事でした。素晴らしいチャンスを与えてくれた日本のために何か、お礼をしたい。そう考え続けてきた。児童施設や病院など、子どもたちへチャリティーを計画しています」。

　スーパーウーマン・イが、成し遂げたスーパーV。これ以上はない、といわれそうなサクセスストーリーは、まだまだ続く－。