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2015.12.10

大分から世界の真里亜へ。夢への一歩を踏み出す。

 『LPGA新人戦 加賀電子カップ最終日が12月10日、千葉県長生郡のグレートアイランド倶楽部(6,480ヤード/パー72)で開催された。 この日、69をマークした篠原真里亜が逆転で嬉しいプロ初優勝を飾った。1打差の2位には、武尾咲希、2打差の3位には、種子田香夏が入った。(天候:曇り、気温:13.1℃、風速:0.4メートル)

 最終日、武尾咲希、森美穂と並んで首位でスタートした篠原真里亜。前半、武尾と森のスコアが伸び悩む中、篠原は3バーディーを奪い、あっさりと首位を奪った。しかし、夢への道は険しかった。武尾に2打リードで折り返した直後の10番。ここで痛恨のダブルボギーを叩いた。「今日のピンポジションを見た時に、やらかすなと思ったんですけど、案の定やらかしちゃいました。練習ラウンドの時に左はダメだと思っていたんですけど、逆に意識しすぎて力が入ってしまいました」と、悪い予感は的中した。さらに、続く11番もボギーを叩き、武尾に逆転された。流れは逃げていったかに思えた。しかし、篠原は踏ん張った。続く、12番、13番でバーディーを奪い、アッという間に再逆転。15番でもバーディーを奪い、差を広げる。その後、難易度の高い上がり3ホールを確実にパーとし、追いすがる武尾を振りきって嬉しいプロ初優勝を飾った。

 優勝を支えたのは、苦手としていたパットだった。「前は、1試合で50cmを3回外したこともあります。苦手、苦手で入る気がしませんでした」というほどパットに苦しんでいた。そこで、まず、意識を変えるようにしたという。「苦手だという先入観をなくすようにしました。最初は違和感があったけど」。意識改革でみるみるうちにパットも復調。ウイニングパットとなった最終ホールのパーパットに成長の証が見えた。「最後の1mのパーパットも今までだったら外していたと思います」。武尾がバーディーを奪って、1打差に迫った直後のパーパット。外せばプレーオフ。「サキさんがバーディーを決めていたので、緊張感はありました」。しかし、苦手意識はもうない。自信を取り戻した篠原はしっかりとパーをもぎ取った。もう過去の自分はそこにはいない。そんな心境だったに違いない。

 真里亜(マリア)という名前には、母親の聡美さんの思いが込められている。「母がアメリカに行っていた時に、さとみという発音がしづらかったみたいで、世界中で誰にでも呼んでもらいやすいような名前になった」。母の視線の先は世界だ。篠原の地元、大分県九重町には、「九重“夢”大吊橋」がある。長さ390m、高さ173m、幅1.5mのこの橋は、歩道専用としては日本一の吊り橋だ。篠原は、この大会で夢だった優勝を勝ち取った。大分から飛びだしたルーキーがこの先に見据えるものは、故郷の吊橋同様、日本一。そして、その先には、母が見つめてきた世界が待っている。


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