2025.12.12
18歳の藤本愛菜が逆転でプロ初優勝
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
『JLPGA新人戦 加賀電子カップ』(賞金総額1,500万円、優勝賞金270万円)最終日が12月12日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,525ヤード/パー72)で行われた。前日2位の藤本愛菜が通算9アンダーでフィニッシュ。逆転でプロ初優勝を飾った。5打差の通算4アンダー、2位に伊藤愛華。通算3アンダー、3位タイに千田萌花とジユアイが入った。
スタートから激しい首位攻防戦を繰り広げた藤本愛菜と伊藤愛華。通算8アンダーで両者が並んで迎えた15番パー5、藤本は第2打をピンまで98ヤード地点に運んだ。「私にとって最も得意な距離が100ヤードなんです。この距離が残ったときは、“きたな”と思います」。大事な局面で得意距離を残した藤本だが、この日は強風の影響もあり、ここまで誰もバーディーを奪っていなかった。そんな厳しい状況にもかかわらず、PWで第3打を放つと、ボールはピン上2メートルにピタリと止まる。慎重にその距離を沈め、この日2度目の単独首位に立つ。続く16番パー4で伊藤が痛恨のボギーを叩いたことでその差は2打に開く。
17番パー3、18番パー4はどちらもグリーン左サイドに池が待ち構えている難ホール。しかもピンは左サイドに立っている。2打差リードでも気が抜けないホールだが、藤本はどちらもパーオンに成功。「あえてピンの位置を見ないでプレーしました」と、ピンに寄せるよりもグリーンに乗せることを第一に考えたことが功を奏した。逆に、攻めるしかなかった伊藤は2ホールとも池につかまり、その差はさらに開いた。
セーフティなマネジメントを選択した藤本は17、18番をパーで切り抜け、最終的に2位以下に5打差をつける圧勝で今大会を制し、プロ初勝利を挙げた。「風が強く、苦しいゴルフでしたが、最終的にいい結果でうれしいです」と笑顔を見せる。3バーディー、1ボギーの70はこの日のベストスコアタイではあるが、「強風の中でのこのスコアは自信になります」と納得のいくプレーができたことを素直に喜んだ。
昨年のプロテストでは合格ラインに2打及ばず不合格に。その悔しさをぶつけるように辻村明志コーチとともにトレーニングに励んだ。「12月から4月までトレーニングだけやっていました。タイヤを引いたり、持ち上げたり、1日も休まずにやり続けました」。苦しいことをやり遂げたことでメンタル面が強化されただけでなく、スイングの土台となる下半身が鍛えられたため、ショットの安定感が増したという。最終日も強風に負けることなく、安定したショットを放ち続けたのも、ハードなトレーニングがあったからなのは間違いない。

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
プロとして最高のスタートを切った藤本だが、いつまでも喜んではいられない。前週のQTファイナルステージでは21位となり、来季第1回リランキングまではほぼ全試合に出場できるが、そこで上位に入らなければ後半戦には出場できない。それだけにシーズンオフの過ごし方が重要となる。
「トレーニングやショットの練習はもちろん行いますが、パッティングをもっと練習したいです」。カップを10センチオーバーさせるパッティングを身につけることが、目下のテーマだという。将来的には米女子ツアー参戦も視野に入れているが、まずはJLPGAツアーで結果を残すことが第一の目標となる。3月の開幕戦からアクセル全開で臨むつもりだ。
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