2016.10.28
1st day プラスワン~飯島茜~
<Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images>
樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)1日目
勝負の世界は浮き沈みが激しい。ましてや、個人競技ならなおさらだろう。もっか、賞金ランク2位で大ブレーク中の笠りつ子と、料理教室へ一緒に通うなど、親しい関係の飯島茜。「笠さんは、若い。体力がありますよ」と話している。今オフもタイで精力的なキャンプを敢行。何しろ、「夜明けから、夕暮れまで」と練習時間を決め、ひたすらゴルフの毎日だった。笠は、「去年からはじめた、タイ合宿のおかげでいい成績があげられている」という。ところが、「私の場合、去年は良かった。だけど、今年は練習過多というか、開幕前にヒートアップしすぎたと思います」。
開幕2戦目のヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ2位タイが、最良の成績だ。賞金シードの心配はない35位。しかし、昨年の15位と比較すると不調といわざるをえない。「ショットは良くても、パッティングがずっといまひとつ。次は頑張ろう、と自分を鼓舞し続けてきても、だんだん気持ちがなえてきた。モチベーションがなくなって…」と苦しい胸中を明かす。
負の連鎖のピークは9月。「プレーをしたくない、という気持ちがMaxになった。ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメントの後、しばらく試合から離れようと一度は決意。でも、周囲からのアドバイスなどで、もう一度ニュートラルにしてから、と考えなおした」とまで語った。そして、ある境地に。
「自分の脳からすべてゴルフを追い出して、クリアな状態にした。それと、いいスコアを出したいとか、欲を出さない。無の状態でプレーするようにしたら、少しずつ良くなった」。この日は、ホールアウトすると雨の中、クラブハウスで小休止もせずに、ドライビングレンジへ直行した。ラウンド中、見つかったショットの課題を修正するためだ。
飯島は以前、35歳でツアーから引退を宣言したことがある。「そうでした。もうちょっとですね。体力がなくなっているから」と漏らしていたが、前週優勝した全美貞も同じように、引退を決意したエピソードがクローズアップされた。継続は力。悩みが多いことは、上達の可能性の裏返しだ。
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