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2016.10.30

申ジエが今季3勝目 賞金女王、レジェンドへまた1歩

<Photo:Chung Sung-Jun/Getty Images>

 2016年LPGAツアー第33戦『樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会最終日が10月30日、埼玉県飯能市・武蔵丘ゴルフコース(6,580ヤード/パー72)で行われ、4位タイから出た申ジエが通算9アンダーで、逆転優勝。今季3勝目をあげた。2位は通算8アンダーの李知姫、3位は通算7アンダーの比嘉真美子。(天候:曇り 気温:12.4℃ 風速:1.4m/s)

 16番、ピン左5メートルのバーディーパットを鮮やかに決めると、今季一番ともいえそうな、渾身のガッツポーズが飛び出した。「13番から連続で、バーディーチャンスがあった。でも、パッティングが決まらない。うれしかったから、4ホール分をまとめて!」。

 申ジエには、超えなければならないカベがあった。優勝を争っていたのは、李知姫。2位に終わったヤマハレディースオープン葛城、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメントで、敗れたのは李だ。「知姫さんは素晴らしい選手です。いつも同組でプレーすると最終日、ものすごいパッティングを見せつけられて負ける。特にミヤギテレビ杯では、プレーオフで敗れた時、虚しさばかりが残っていた。日本では、2度あることは3度あるということわざもあるけど、3度目の正直というものもあるそうですね。絶対に今度こそ、と思っていましたよ」。

 それはそうだろう。ミヤギテレビ杯では勝負が決着すると、すぐさま帰り支度をするのではなく、キャディーバッグからパターを取りだすと、練習グリーンへ直行。「自分の気持ちを落ち着かせるためです。あのまますぐに帰っては、ズッとイライラする。その日の内に解消するのが、私のスタイル。おかげで、きょうはミスをしなかった。夢中でプレーしたから、勝ったという実感はありません」と振り返った。

 今季は開幕前から、賞金女王獲得を年間の目標に掲げている。その開幕戦で申の左手のひらを見て、息をのんだ。マメが何重にも盛り上がり、まるでプロ野球選手のようだった。照れながら、「これでもまだ練習が足りないと思います。もっといいプレーをしたい。練習量は足りません」。元世界ランキング1位の秘密を目の当たりにした。

 有言実行。タイトル奪取の誓いは、揺るがない。今回の勝利で賞金ランキング2位へ再浮上して、残り4戦のラストスパートに賭ける。日本女子オープンゴルフ選手権競技後、2週間、試合をスキップして合宿を行ったのもそのためだ。一方で、アスリートしての基本を忠実に実行している。「食べることが大切。何を食べるかではない。しっかりと食べる。最近、若手選手は美容を気にして、しっかりと食べないけど、それはどうかなぁ」と前置きし、「私は一生懸命、食べます。特に朝食が大事。45分ぐらいかけてです。納豆をしっかりと味わって、エネルギーに変わるように。だいたい、まわりの選手は15分ぐらいで済ませてしまうけど…」。

 今大会の優勝は自身にとっても、喜びが大きい。「樋口久子さんの冠がついている。現役時代の活躍は残念ながら知りません。しかし、直接、お会いしてプロの先輩ということだけではなく、1人の人間として多くのことを学ばせてくださいました。レジェンドがもつ、人間性とリーダーシップを身に着けたい。尊敬する樋口さんの前で優勝を飾ることができて、光栄です」。

 伝説の継承者となるため、さらなる勝利を積み上げていく-。

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