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2017.6.4

猛チャージで猛アピール 青木瀬令奈ツアー初V

<Photo:Matt Roberts/Getty Images>

 36ホール競技に短縮された、2017年LPGAツアー第14戦『ヨネックスレディスゴルフトーナメント』(賞金総額5,250万円、優勝賞金945万円)大会最終日が6月4日、新潟県長岡市・ヨネックスカントリークラブ(6,423ヤード、パー72)で行われ、通算4アンダーで青木瀬令奈がツアー初優勝を飾った。この日は6バーディー、ノーボギーの66をマーク。13位タイから怒とうの猛チャージで勝利を引き寄せ、2打差の2位は蛭田みな美が入った。(天候:晴れ 気温:18.8℃ 風速:2.5m/s)

 まず、1勝。いよいよ、これからがスタートである。青木瀬令奈が見事な逆転劇で、ツアー初勝利を飾った。大いなる夢、大いなる野望が目前に広がる。

「うれしい」と語った後、実は狙っていた勝利であることを明かしたのだ。「風邪が完治せずに、ここ3週間、かなりきつい毎日でした。それが前週の最終日から良くなり、トップ10に入ることができたのです。これなら、今回は優勝しかない。そんなことを思い始めたのは、宮里藍さんの引退会見がきっかけです。ヨネックスレディスゴルフトーナメントで優勝すれば、サントリーレディスオープンゴルフトーナメントの予選ラウンドで、同組でプレーできるかも…。そのチャンス、十分にあるな、と頭の中にあった」。

 ひょっとしたらの期待が、全身にみなぎったのは15番のティーインググラウンド。スコアボードで大混戦を知ったからだ。「私のうしろでプレーする組が、予想外に、スコアが伸びていない。調子がとても良く、1日で8アンダーぐらいを出せる感じがしたから」と振り返った。17番こそ、バーディーはならなかったが、16、18番は女王の雰囲気を漂わせた、圧巻のバーディー奪取。特に、18番は、「2008年、高校1年の時にこのコースで勝ったことを思い出した。迷いはありません。ラインを読み切って、きっちりとバーディーがとれた」と自画自賛するほどだ。

 先に、通算4アンダーでフィニッシュして、戦況を見守った。ところが、追いつくものはなし。何度も跳ね返され、そのたびに流した涙が、とうとう歓喜に変わる。66の猛チャージは、これまでのスタイルとは違っていた。3年前から、キャディーも担当する、大西翔太と二人三脚で勝利を目指す、大改造がスタート。飛距離が平均で30ヤードのびて、風などの条件が味方すれば、270ヤード以上を記録する時もある。「コーチから、今年は勝たせる、といわれた」という。一方、大西コーチは、「ここ2年間とは、気構えが違います。今まで、女性ですから、筋肉がついて、がっしりするようなことはイヤがっていた。それが今年、練習はもちろんのこと、日々のきつい筋力トレーニングも進んで行っている」。石の上にも3年だった。

 さて、宮里について、優勝会見では感謝のメッセージが次々に飛び出してくる。「私は小学2年生から、ゴルフを始めました。当時、一般ではジュニアへの理解が少ない。なぜ、子どもが練習場にいるの…。そんな視線を感じてボールを打っていた。もちろん、日本ではジュニア用のクラブなんてありません。だけど、藍さんが出てきてくださったおかげで、環境がガラリと変わりました。あこがれの存在、恩人など、何と表現したらいいかわかりません」。

 さらには、以前から口にする、「群馬県の良さをアピールしたい」も自身のプロ意識を高めた。ちなみに16年都道府県の地域ブランド調査で、故郷は45位。遺憾ながら、ワースト3に入っていた。「それは、おかしいです」と声を高めて、「人間が生きていくことに大切な、空気と水がものすごくおいしい。水道水でも、これほどおいしいところはないと思います。私、群馬のPRなどをする大使になりたいです」とアピールする。

 そういった、さまざまなことを実現するために、「もっと、もっと勝ちたい」。なるほど、プロゴルファーほど素敵な職業はない。

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