ジンクスを打ち破る！　姜秀衍が燃える

　2017年LPGAツアー第15戦『サントリーレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が6月8日、兵庫県神戸市・六甲国際ゴルフ倶楽部(6,538ヤード、パー72)で開幕する。7日はプロアマ大会が行われた。

　ディフェンディングチャンピオンとして今回に臨む姜秀衍が、狙うのはもちろん、連覇である。去年のツキはまだ続いているようだ。この日、開催されたアマプロ大会で優勝。ところが、「本当は、勝ちたくなかった」と明かす。なぜなら、アマプロで優勝すると、「本大会で勝てないジンクスがある。私としては2位ぐらいが良かった」という。そうはいっても、「ジンクスに挑戦することも、モチベーションになる」。このあたりが、百戦錬磨のベテランらしいコメントだ。

　さて、肝心の手応えはどうなのだろう。「左首から肩にかけて、かなり筋肉がかたくなっている。でも、きょうは雨で気温が上がらなかったからでしょう。ホテルに帰ってしっかりとケアをすれば、大丈夫。ディフェンディングチャンピオンとして、大会を盛り上げます」。今回は、今季限りで引退を発表した宮里藍が出場する。姜も米ツアーで一緒にプレーした。「ニュースを聞いた時は、本当にビックリ。まだ、若いでしょう。今週、昔話をちょっと…。アメリカにいた時、最も印象に残っているのは、彼女って、積極的に多くの選手へ話しかけていた。自分からアプローチしていくのは、簡単なようでなかなかできない。すごいなぁ、と感じた」と振り返っている。

　ちなみに、こんな舞台裏も語ってくれた。「ずっと日本ツアーでプレーする、と私はいってきたけど、実は去年、故障個所が全身に出てきたから、引退しようと思っていた。でも、オフにトレーニングしていたら、とても調子がいい。よしっ、これならまだやれる、と考え直した」。リゾートトラストレディスの優勝は、また格別だったという。

　韓国では、後進の育成にも着手している。今大会、出場しているチェヘジンは、姜の教え子だ。現在、世界アマチュアランキング2位と将来が楽しみ。加えて、京畿道では姜秀衍アカデミーを主宰する。弟のジングさんなど5人のスタッフが行い、100人以上のアマチュアを指導中だ。今週は、ジングさんが応援に駆けつけた。それほど、気合が入っている証拠だろう。「身内がいうのもヘンだけど、姉は、子どもの頃からショートゲームが天才的でした。だから、長い間、トップで活躍しているのでしょう」と分析している。