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2017.6.25

鈴木愛が今季2勝目 またも、ドラマチックV

<Photo:Masterpress/Getty Images>

 2017年LPGAツアー第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額1億8,000万円、優勝賞金3,240万円)大会最終日が6月25日、千葉県袖ヶ浦市・カメリアヒルズカントリークラブ(6,545ヤード、パー72)で行われ、通算18アンダーで鈴木愛が、今季2勝目を飾った。1打差の通算17アンダーの三ヶ島かなが2位。大会3連覇を狙ったイボミは、通算10アンダーの7位タイに終わった。(天候:雨 気温:22.4℃ 風速:2.4m/s)

 ドラマチックレディの本領発揮。ハラハラドキドキさせても、鈴木愛は強かった。順調にスコアを重ねて一見、楽勝の流れ。ところが17番で異変が起こった。1メートルのバーディーチャンスに、つけたまでは良かったが、何と3パットのミスが…。1打差で18番を迎えて、2位の三ヶ島かなが、カラーから11メートルのバーディーを沈めて通算17アンダーで首位に並んだ。

 鈴木は6メートルのバーディーパットを残している。「きっと入らないだろうと思った。プレーオフ、覚悟です」。しかし、6メートルのスライスラインをきっちりと読み切り、圧巻の存在感を示す。土壇場での勝負強さが際立った。

 「ショートだけはしたくはない。カップをオーバーするぐらいの勢いでストロークした。練習で、何回も打って、ようやく入るかなぁ-のパッティングです」と説明する。まるでシナリオがあったのか、と思うほどの名勝負だった。

 「プレッシャーは、ないはずだったけど、体の動きがぎこちない。ちょっと気がかりでした。ただ、プレーに入ると、ぎこちなさがとれ、前半はいいプレーができたと思います。以前から、お話をしているように私、雨の日のプレーは得意ではない。だけど、今日は自分が20アンダーまでスコアを伸ばせば勝てる。相手よりも、それだけがターゲット。おかげで、どう攻めるかと、ずっと考えていたら、雨は全く気にならなかった」。集中力の優勝だったことをアピール。

 そうはいっても、17番の3パットに関しては、「1メートルの距離を同じグリーンで、往復しているようではダメダメです。あれだけの練習を積んでいるにもかからず、本当にショックでした。喜んでなどいられない。まだ、練習が足りない証明ですね。実力不足を思い知らされた」と猛省した。

 大会3日目の会見では、前夜の食べすぎを反省するなど、人前では、無頓着かのように装うが、これは照れ隠しのようなものだ。繊細で潔癖症。たとえば、エレベーターのフロアボタンを押す時などは、右手人さし指をティッシュペーパーで包むほどだ。もちろん、本業では完ぺきを求める。「次は、自作自演をしないように」と宣言。なるほど、通算5勝はいずれも、すんなりといったことがない。

 史上9番目のスピードで、生涯通算獲得賞金、3億円を突破。今季の賞金ランクでは、約90万円差で首位のキムハヌルを猛追する。「まだ、若手ですよ」と、謙遜しながらも、いつの間にか、日本のエースに浮上した。

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