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2017.6.25

final day プラスワン~不動裕理~

<Photo:Masterpress/Getty Images>

アース・モンダミンカップ カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)最終日

 不惑を迎えた心境。それは、人それぞれだ。「当たり前だけど、中身は変わっていない。数字だけが、独り歩きで変わっていくだけです」。不動裕理はデビュー当時から、ひとことずつ、かみしめるように答える。そしゃくしながら、聞き手にわかりやすいように伝えるためだ。時代をつくったレジェンドは、やはりひと味も、ふた味も違う。

 この日はベストスコアの65をマーク。アンソンジュと同組でのプレーは随所に見応えがあった。2人の勝利数を合計すると、73勝。アンは、「不動さんのパッティングが、とにかくすごかった」という。一方の不動は、「最近、パターを替えたのが良かったのでしょう。まぁまぁ良かった。私にしては。今回は、たまたまかなぁ」。サラリといってのけた。

 座右の銘は、「必然」。偶然とは紙一重だ。ゴルフは運が命運を握るスポーツ。ところが、不動が好調だった要因は、パターをスイッチしただけの、偶然ではなかった。大会3日目。同組でプレーした香妻琴乃にホールアウト後、不動は教えを乞う。パッティング練習での注意点を質問。「打ち過ぎを恐れずに、カツンとストロークするそうですよ。ラウンド中、とてもパッティングが良かったから、参考までにうかがった」と説明した。

 不動と香妻は15歳も年齢が違う。ましてや、永久シード取得選手から、ツアー未勝利の若手へ、ゴルフの技術について質問するなど、まず、ありえない。プライドよりも、向上心を優先する探究心も、ベストスコアを生みだした要因。これは、偶然ではなく、必然だろう。ちなみに、特別賞を獲得し、久々に表彰式に並んだ感想を、「その他、大勢でした」と笑い飛ばした。そうはいっても、周囲からは「もっと、たくさん試合へ出てほしい」というリクエストがたくさん。

 考えてみれば、セカンドライフともとれる現在は24時間、ゴルフのことを考えているわけではないらしい。趣味は幼少時から、一貫して読書。「現実逃避するめためです」と、うつむき気味に話す。

 しかし、現実から逃避するなら、映画の方が手っ取り早くはないだろうか。「そうかもしれません。でも、映画館は思いついたから、足を運んでも上映時間に合わせないといけないでしょう。私は、ダメなんです。思い立ったら即、だから。その点、読書は、すぐに実行できる」。最近のおすすめは、『埋蔵金発掘課長』だった。元広告マンが、財政破綻の迫る故郷のために、埋蔵金を探すというストーリーだ。

 ここ数日、SNSでは盛んに、埋蔵金伝説が話題に。そんな雑談をしていると、「私にとって埋蔵金発掘は、夢。自分でやりたいとは思わない。誰かが発見して、どれどれ…。それがいいですね」と、あくまで控えめだ。偶然に得たものは、偶然に失う-と福沢諭吉もいった。不動は、必然の人。通算50勝の極意である。

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