スコットランドからエール　鈴木愛、原点回帰

樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント プロアマトーナメント

　手紙が届いた。スコットランドから。鈴木愛の瞳が輝く。「今年、全英女子オープンで私のプレーを見てくれたそうです。サクラコさんという方でした。以前、徳島に住んでいたことがあるとか。プロになりたい。英語と日本語をまじえて、一生懸命書いてくださった。本当にありがたいです。やらなくてはいけない…。新たな気持ちで終盤戦を戦います」。前週は、よもやの予選落ちを喫した。今季2度目。さすがにショックは隠せない。「練習をやらなくては、と思ったけど、3日間、クラブを握るのをやめた。リセットするためです。自宅でゴロゴロして、台風が過ぎたら、前から一度はゆっくりと見たかった、海ほたるへ。いやなことは東京湾へ捨ててきましたよ」。

　リセットは大成功だった。「火曜日から練習ラウンドをし、日増しに調子が上がっている」と確かな感触をつかんだ。何より、生命線の、「パッティングのフィーリングがいい。ただ、このコースは、見た目にだまされてはいけない。基本中の基本、手前からを徹底して無理をしないことを心がけます」。このところ、鈴木といえば、今季の賞金女王についての質問ばかりを受けていた。それが知らず知らずの間に、自身へプレッシャーをかける悪循環になったのだろう。日々、学ぶ。充実の毎日を笑顔が証明している。