2017.11.16
1st day プラスワン~福田真未~
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
大王製紙エリエールレディスオープン エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)1日目
プロ初体験は突然、やってきた。前週の伊藤園レディスゴルフトーナメントで、うれしいツアー初優勝を飾ったばかりの福田真未は、大会1日目、注目の1人。この日のスタートホールは10番だった。しかし…。ティーショットで思わぬミスが飛び出す。「ダフってしまい、ボールが飛んだのは、100ヤードぐらい。信じられません。私の記憶では初めてです。恥ずかしさを通り越し、ドキドキしながら第2打地点まで移動した」と振り返った。
そうはいっても、「優勝した後の試合が大事。それ以上、恥ずかしいところはみせなかった」とも。イーブンパー、41位タイでホールアウトした。そんなエピソードを口にしながら、とても明るい。表情が輝いていた。誰もが、ひと皮むけたというところだろう。ゴルフに想定外のミスはつきもの。でも、笑い飛ばしてしまう。いい意味で強い精神力を宿した証拠ではないか。
「もし、勝っていなければ今頃は、シード権をどうしようなど、いてもたってもいられず、お話などできなかったでしょう。笑っていられる状況ではなかった」と話した。そして、改めて、初優勝を語ってもらうと、「2日目の18番。チップインが決まった時、これは何かがある、と感じた。試合が終わって、それは優勝だった。不思議な感覚は、以前に数回経験した優勝争いとは、全く違っていた」。
一方で、プロ7年間、初VのXデーへ向けて、こんなシーンを思い描いたそうだ。「ウイニングパットを決めて、両手を天に突き上げるガッツポーズをする。だけど、それどころではなかった。それから、強い力になったのは、ギャラリーの皆さんの声援。3連続ボギーの時も、頑張れとたくさんのエールをいただいた。忘れません。心からお礼を申し上げます」と明かしている。ウイニングボールは、キャディーへ感謝のプレゼント。
「あの時、私のポジションでは、最終戦へ出場することなど、夢のような話でした。伊藤園レディスとエリエールで、今シーズンが終わる。こんな時は、どうしてもプロキャディーをお願いしたくなるものです。ところが、誰かに頼らず、1人でやってみよう、と思った。だから、2戦はハウスキャディーさんにしました。ただ、伊藤園は、素晴らしい方がついてくださった。どんな状況でも動じない強い方です。私は、ラッキーでした」と手を合わせるように語っている。
冷静でいれば、突然の災いも避けられる。14日、松山では乗用車が市街地やアーケード商店街など事故を繰り返し、暴走する大事件があった。福田は、この事件に遭遇。「ちょうど運転をしていたら、同じ車線で向こうから車が…。驚いたけど、路肩へサッと車を止めてやりすごした」という。このエピソードも、ドラマチックだ。
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