究極のショットを求め－全美貞が首位発進

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

　2017年LPGAツアー第37戦『大王製紙エリエールレディスオープン』(賞金総額1億円・優勝賞金1,800万円)が11月16日、愛媛県松山市・エリエールゴルフクラブ松山(6,550ヤード/パー72)で開幕した。大会1日目、64をマークした全美貞が8アンダーで首位。3打差の5アンダー、2位に鈴木愛がつけた。(天候:晴れ　気温:12.5℃　風速:3.2m/s)

　厳しさもほどほどがいい。全美貞が8バーディー、ノーボギーというロケットスタートの秘密を語った。「今回を含め、残り2戦。楽しい思い出をつくって2017年を締めくくりたい。よくやっている－そんな感じで、自分をほめながらプレーした」。解放されたことで、気持ちが楽になる。生命線のショットが急上昇した。インスタートのこの日、11番で3メートルのバーディーを奪うと、ますますショットが冴える。前半は、13、15、17番と1ホールごとにバーディーがきた。

　「四国のコースが好きです。景色がいいし…。今年は幸先よく、2戦目のヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップで優勝することができた。私の考える四国の特色は、コースはもちろんだけど、グリーンがとてもきれいに整備されている。たぶん、それが大きいと思う」と解説した。前半の勢いをそのままに、後半も4バーディー。真っ赤なセーターがよりコースで映えた。

　プロゴルファーである以上、やはり成績がすべてだろう。「狙っていない」と言葉にしても、口と腹は違うもの。ただし、全は正直だ。突っ込んだ質問にも、「本当です。目標はありません。でも、たったひとつあるとすれば、いいショットを打つ。感触がいつまでも私の両手に残っているような、究極のショットを打ちたい」。さながら求道者である。それほど、ゴルフは奥深い。