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2018.4.27

Day 1 プラスワン~吉田 弓美子~

<Photo:Ken Ishii/Getty Images>

サイバーエージェント レディスゴルフトーナメント グランフィールズ カントリークラブ(静岡県)第1日

 いつの頃だろう。女子プロゴルフ界には、30歳引退説が流れるようになった。そうはいっても、ファンからすればあまりにさびしい。あす28日、31歳を迎える吉田弓美子はどう感じているのか。「30歳最後の1日。少しはいいゴルフで、次の日へ迎えたらいいなぁと心の中で思っていた。安定したプレーができたと感じます」。4アンダー、3位タイ発進だった。

 今年は2009年、プロテストにトップ合格し、10年目のシーズン。当時をしみじみと振り返る。「ラストチャンスと決めたテストで、トップ合格することができた。実は、家族会議で、あの年のテストに合格しなければ、ゴルフをやめる。そう、決めていた。もし、プロになっていなかったら、実家の手伝いをしていたでしょう」と遠い目で話し、「ゴルファーとしてのこれからを考えている。これから、何十年も続けていくスポーツですから、いつまでも楽しんでいられるようにするには、どうしたらいい。最近、しみじみと思うのは、1日の長さを感じるスポーツもないだろうなぁ。でも、1年がとても短い。矛盾しているようだけど、正直な表現です」。

 そして、冒頭の30歳引退説に話題が及ぶ。「26歳で、年間3勝をあげることができた。選手の間で30歳引退という話があったから内心、これがピークであとは下降線かなぁ。でも、15年に1勝。30歳になった、去年が2勝。いざとなれば、まだ頑張れる。うれしかったのは、『弓美ちゃんが、勝ったから、私も頑張る』と上田(桃子)さんも年間2勝したことです。つきつめれば、周囲のムードで、自分のゴルフに限界をつくった。そんなところでしょうか…」と解説を加えた。

 ひとことひとこと、丁寧に言葉を選んで、ちょっと耳障りな、今どきの「ら抜け言葉」などは一切なし。すべてが、心に響く。一方で、今季のLPGAツアーを、「とにかく、選手層が厚くなった。若い、素晴らしい選手がたくさん出てきたし、平均ストローク、予選カットラインなど、全体の底上げができていると思います」と前置きし、「シード選手が、若手に負けるものか。そんな意気込みが成績に表れています。私自身も、下からあおられれば、もっと焦らないとならない立場でしょう。だけど、時代が変わろうとする、現在にいることがうれしくて仕方がない。不思議な気持ちですけど、30歳を過ぎて、そんな全体像が見えるようになってきた」。

 ちなみに、誕生日について質問をすると、「家族や、友人だけではない。ファンの皆さんも祝ってくださいます。これもプロになって良かった。そう感じることのひとつ」とほほ笑んだ。取材中、何度も、「愛璃さんを」と水を向けたのは、神奈川・厚木北高の後輩を思いやったのだろう。斉藤は、「(吉田)弓美子さんにあこがれて、同じ高校を選びました。とにかく、素晴らしい人です」。この日、同じ3位タイと絶好のスタートを切ったのは、見えないエールがそうさせたのだろう。

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