2018.5.6
圧巻の17番 申ジエ、大逆転
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
2018年LPGAツアー公式戦、第1戦『ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ』最終日が5月6日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部西コース(6,715ヤード・パー72)で行われ、申ジエが通算3アンダーで逆転優勝。2位は、通算2アンダーの鈴木愛が入った。首位スタートのイジョンウン6は76と崩れ、通算1アンダー、3位。(天候:晴れ 気温:24.1℃ 風速:1.9m/s)
勝負師。今季初優勝は、鮮やかな逆転劇だった。ハイライトは17番。残り244ヤードの第2打は、通算51勝目の執念が宿っていた。「花道を狙ってボールを転がす。計算通りのショット。3Wです」。あわや、アルバトロスかと思うほどのシーンだ。カップのすぐ横を抜けたが、1メートルのイーグルパットを楽々と決める。鈴木愛を首位の座から引きずり下ろした。
「先にストロークをした同組の2人が、微妙なラインを外した。このパッティングを決めなければ、私に勝ち目はない。きょう、最も緊張して、気合を入れなおした場面です。決まって本当に良かった。だって、17番は第1打から勝負をかけたのです。少しでも、距離を稼ぐために、こん身の力を込めた。できることなら、アルバトロスを達成したかった。ゴルフをはじめて、まだ1度も経験がないからです」。元世界ナンバーワンの矜持である。
最終日、こんなプランを立てていた。「コースが難しい。逃げ切るのは至難の業だと思っていました。相手に、プレッシャーをかけるには、3アンダーを出せばいい。ミスを期待するわけではないけど、それが勝負というものです」という。ましてや、日韓の賞金女王対決ばかりが、クローズアップされていた。脇役で終わっては、プライドが許さない。
「(ジョンウン)選手と、同組でプレーするのは初めて。彼女は、私をかなり意識しているのではないか。頭の隅にあった。私も、韓国の後輩には、いいプレーを見てほしい。彼女のあこがれで、い続けたい」。エールを送った。一方、1打差抑えた鈴木へ、「10メートルもある距離の3連続バーディーは、本当に見事。元気があるなぁ、と思った。今年、愛さんと同組でプレーしたのは初めて。私の目標は、今年こそ、日本で賞金女王をとることです。この先、勝負する機会がたくさんあると思う」。宣戦布告だった。
賞金ランキングでも3位へ浮上。存在を示した申ジエは今大会、キャップ後方に、ピンクリボンをつけていた。「髪が痛んで、毛先が切れ、ものすごく、短い。あまりにボーイッシュです。そこで、ギャラリーの皆さんに、かわいいと感じてほしかった。だから、リボンを…」。ささやかな自己主張に笑みがこぼれた
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