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2018.5.6

Day 4 原田香里のプラスワン テック

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)最終日

 優勝した申ジエさんの17番。あの第2打を目撃したギャラリーの皆さんは、伝説の語り部になるでしょう。私も、思わずうなってしまった。勝利の執念がクラブに宿ることを、改めて思い知った瞬間です。おそらく、練習ラウンドでもあれほどうまくはいかない。ここしかない。ボールの落としどころを決めて、きっちりとそこへボールを運んだ。勝利への執念が、後押ししたのでしょうか。

 世界各地のツアーを転戦し、通算51勝の技です。ボギーも出る。しかし、バーディーをそれ以上にとった。オールラウンドプレーヤーとしての存在をアピール。世界基準のセッティングで、ワールドクラスのショットが飛び出す。やはり、コースは人を育てる-と内心、ほほ笑んでしまった。今大会は、開幕前から何度もお話していたように、かつてないセッティングを行い、1年前から準備を整えてきたのです。

 茨城ゴルフ倶楽部のスタッフの皆さんは、細かく難しいリクエストにも、真心と培ったノウハウでこれ以上はない。そう、胸を張れるだけの準備を整えてくださった。選手が、なかなかLPGAツアーで経験できない、ハードなセッティングで、しかもフェアな戦いを挑んだ4日間。「難しかった」とはいうものの、「また、こういうセッティングで自分を試したい。頭を使って、ものすごく、疲れたけど本当におもしろい」と話してくれたことを、心からうれしく思いました。

 最後まで二転三転する、メジャーならではのスリリングな勝負。実力者が上位に名を連ねています。申さんはドローとフェードを状況に応じて打ち分けていた。若手選手にも、ぜひ、そんなテクニックを1日も早くマスターしてほしいと願っています。

 また、鈴木愛さんの善戦も、称えなければなりません。前週、ちょっと嫌な負け方をした。となれば、気分転換を図る意味で、1日ぐらいは休養をはさみたくなる。でも、試合の悔しさは、試合でなければ払しょくできません。月曜日から意欲的に18ホールをラウンドしました。彼女は、賞金女王のタイトルをとってからも、全くおごることがない。日々精進。

 惜しむらくは、鈴木さんの17番。第1打から、フェアウェイキープをしてほしかった。ラフからではなく、フェアウェイから第2打以降に臨んでいれば…。さらなるシーンがあったかもしれません。メジャーウイークは、いろいろなドラマ、考えさせられるものがありました。

(原田香里=大会実行委員長)

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