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2018.5.12

鈴木愛、連覇のカギは音を聴く

<Photo:Matt Roberts/Getty Images>

 LPGAツアー第11戦『ほけんの窓口レディース』(賞金総額1億2,000万円 優勝賞金2,160万円)大会2日目が5月12日、福岡県福岡市・福岡カンツリー倶楽部和白コース(6,292ヤード/パー72)で行われた。この日も好調なプレーを披露したのは、ディフェンディングチャンピオンの鈴木愛。2日間連続ノーボギーの68をマーク、通算8アンダーで単独首位を守った。1打差の7アンダー、2位は菊地絵理香。3位タイの通算5アンダーに比嘉真美子、テレサ・ルーがつけている。(天候:晴れ 気温:25.9℃ 風速:6.2m/s)

 五感を研ぎ澄ます。そして、カップイン。鈴木愛のプレースタイルだ。2日間、ボギーはなし。通算8アンダーとスコアを伸ばし、大会連覇へまた一歩前進した。ところが、ホールアウト後、最初に口にしたのは、「最後だから、きっちり決めておかないと」。18番、1メートルのバーディーパットを外した反省だった。

 「前半からチャンスが多かった。自分でもいいパッティングをしていたと思います。でも、ひと筋だけラインが違った。すごくいいプレーをしていただけに、もっとスコアを伸ばしても不思議はない。こういう時は、フラストレーションがたまる」。ただ、日本の第一人者へ転じてから、めったなことでは喜ばない。妥協しない。理想が高い。自身の採点が厳しい-という流れになった。

 確かに、惜しいパッティングがあったことは確か。とはいえ、ボギーを叩かないスタイルは、パッティングの名手の証明だろう。9番、5メートルのパーセーブ、10番は6メートルを沈め、ピンチをしのいだ。流れを途切れさせない。だから、毎試合、優勝争いを演じる。シーズン当初から、こんな決意を語った。「自分ではまったく変わっていなくても、周囲の見方が違います。いい成績を残して当たり前。プレッシャーを自分にかける」。さらに、「去年までは、苦手コースの試合で、プレーする前からダメだと口にしすぎた。どんな状況でも、できることを精いっぱいやればいい」という。

 今大会、左足にテーピングを施すなど、痛々しい姿にファンも大丈夫だろうか、と感じたに違いない。「ひざもそうですけど、手首が痛い。硬いところでたくさん練習をしたせいか、痛みが出てきて…」。満身創痍にもかかわらず、最終日へ向けて入念に調整を行った。この日、パッティンググリーンでは時折、耳を澄ますしぐさを。五感も研ぎ澄ませた。「打感が大事です。しかし、音も大切。ボールの転がりが悪ければ、音も悪い」と説明をした。パッティングのシーンでは、グリーンサイドに静寂が訪れる。最終日、目を閉じて、鈴木愛の奏でる音を聴いてみたい。

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