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2018.5.13

絶望から完全V 鈴木愛、大会連覇達成

<Photo:Matt Roberts/Getty Images>

 LPGAツアー第11戦『ほけんの窓口レディース』(賞金総額1億2,000万円 優勝賞金2,160万円)最終日が5月13日、福岡県福岡市・福岡カンツリー倶楽部和白コース(6,292ヤード/パー72)で行われ、鈴木愛が大会連覇を飾った。17番まで、通算7アンダーでアンソンジュ、菊地絵理香の3人が並んだ。迎えた最終18番、鈴木がバーディーを決め、通算8アンダー。今季3勝目はスリリングな完全Vだった。(天候:雨 気温:20.7℃ 風速:4.3m/s)

 真打ちは、最後に決める。17番まで通算7アンダーで3人が並んだ。鈴木愛の18番、残り83ヤードの第3打は、54度を選択。会心のショットを、ピン1メートルにつける。このバーディーチャンス、外すわけにはいかない。「プロになって、こんなに苦しい最終日を初めて経験した。絶望状態でも、あきらめずプレー。結局、最後に順番が回ってきて、18番だけピタッとつけられた。とにかく、我慢に次ぐ我慢。初優勝の時と同じぐらい、忘れられない試合になりそうです」。

 ウイニングパットは、しっかりと決めた。「去年までは、距離2メートルのパッティング練習をしていたけど、今年は1メートルが多い。最後は、練習通りに決められて本当にうれしい」と、ようやく笑顔がのぞく。序盤、3、5番のバーディーで独走態勢を整えた。しかし、好事魔多し。8番でパーパットを読み違える。こんなに今大会初のボギーを叩いて、流れが変わった。

 同組の菊地絵理香が、8番でチップインバーディーを決めたのだから、心穏やかなはずがない。一方で、ノンプレッシャーの気楽さで、2組前のアンソンジュが猛チャージ。観戦する立場なら、これほどおもしろい展開はなかっただろう。ホールアウト後、2位に終わった2人は、奇しくも同じ感想を口にした。

 「愛ちゃんは、心が強い。ロングパットでも、全身から『カップインさせる』という気をこちらも感じる」(菊地)。『愛ちゃんは、心が強い。今のプレー内容からすれば、同じ能力があっても勝てない。それを超えないと…』(アン)と、惜敗というより、完敗といったムードである。

 元々、鈴木の負けん気は人一倍だった。とはいえ、昨年までは敗れると、「こんなに練習して、なぜ勝てないのか…」。人影がなくなったクラブハウスで涙を流し、自問自答をするシーンに何度も遭遇した。が、今季は名実ともに第一人者のプライドだろう。たとえ惜敗でも、涙をためたことはない。涙くんさよなら-。精神面の成長が際立つ。

 すでに、開幕前に掲げた年間3勝をクリア。8戦して、最も成績が悪かったのはKKT杯バンテリンレディスオープンの20位タイで、他の7戦はすべてトップ3だ。「去年より、パーオン率が上がっていて、トップ10が多くなったと思う。それから、リカバリー率が良くなって、パーを拾えるように…。今大会もチップインが4回。練習の成果が出てきたのかなぁ」と分析した。

 そうはいっても、喜んでばかりはいられない。「自分に厳しくあるために、(平均パット数)1.72以内を目指す」と、2月から宣言。もっか、その数値が1.74ということは、名手のプライドがゆるさないだろう。何はともあれ、また練習の日々がスタートする。

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