Day 3 プラスワン ショット

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント　六甲国際ゴルフ倶楽部（兵庫県）第3日

　大山志保さんといえば、ガッツポーズがトレードマーク。ゴルフは静のスポーツでも、それを動に変えてしまう。このエネルギーに脱帽だ。前週から、大山さんを追いかけている。気迫、闘志を右腕に込めたシーンを何度、見ただろう。ただ、ひとくちにガッツポーズといっても、たくさんのパターンがあることがわかった。

　今日のワンショット。タイトルをつければ、微笑み返し－といったところか。5番で、ロングパットを決めた一瞬である。天気が良い。表情が明るく美しかった。自然の笑顔と右手の構図は、ここ2試合で初めてである。プロの真骨頂をみた。ギャラリーと一緒に喜ぶ。エンターティナーの才。個人スポーツに、一体感をもたらす。こんな姿をみせられれば、ギャラリーとしても、ただの観戦というわけにはいかない。一緒にプレーをしているつもりで、集中力が増す。18ホールのプレーすべてが、ハラハラドキドキ。入場料を払った以上の価値があると感じた。

　ところで、こちらも、大山さんを狙う時は、スリリングだ。ギャラリーへ向けて、ガッツポーズを行うことはわかっているものの、さて、どちらの方向か…。ギャンブルなのだ。今日は勘がさえた。この1枚を撮影した時、こちらまで、思わずガッツポーズを。女子プロゴルフ界のカリスマに魅せられた。

(戸村功臣=ゲッティ イメージズ)