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2018.6.21

プラス20ヤードで65 酒井美紀、大変身の謎

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 LPGAツアー第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額1億8,000万円 優勝賞金3,240万円)が6月21日、千葉県袖ケ浦市・カメリアヒルズカントリークラブ(6,620ヤード/パー72)で開幕した。大会第1日、65をマーク。2014年のチャンピオン、酒井美紀が7アンダーのロケットスタートを切った。2打差の2位タイに吉田弓美子、竹内美雪、東浩子がつけ、ディフェンディングチャンピオンの鈴木愛はイーブンパー、79位タイ。(天候:曇り時々雨 気温:23.0℃ 風速:1.5m/s)

 ニュースタイルに転じた。酒井美紀が堂々と宣言。「今年は、飛距離にこだわっている。きょう、いいスコアをマークしたのは、気持ち良く1Wを振った証明のようなもの」と語った。2014年、今大会を制した際は、精度が命。いったい、どんな変化があったのだろう。

 「時代の波が、そうさせたといえるかもしれません。これから、将来を考えると、飛距離をアップさせなければ、ツアーでは戦えない。去年の夏場から痛切に感じて、準備をしてきた」と説明する。振り返ると、中学時代は、飛距離自慢だった。250-260ヤードと絶対のアドバンテージを握っていたが…。「高校生になると、プロのトーナメントへ出場するようになった。その時、痛感したことがある。安定した成績を残すためには、フェアウェイをキープが一番です。それに、私は不動(裕理)さんのような選手になりたい-が夢でしたから」。これが、飛距離封印の謎である。

 となれば、スタイル変更は容易だろう。ただし、そう考えるのはあくまでも一般論。「飛ばしたい。その5文字は全身から追い出した。脳にも去年まで、そんな欲望がまったく残っていない。1Wで飛ばすことを、呼び起こすことが大変でした。元々、ディープフェースのそれほどヘッドが大きくないものが好みです。オフは、大きなヘッドに代わった1Wの視覚になれるように、たくさん練習をした」という。

 2017年、5シーズン維持した賞金シードを失った。一方でフェアウェイキープ率1位だっただけに、その衝撃は計り知れない。「フェアウェイからセカンドショットを打った方がいい。第2打が5Iだと仮定しましょう。でも、ラフへ行ったにもかかわらず、飛距離を稼ぎ、8Iで打った方が、チャンスが多い。各試合で特性が違うけど、やはり、飛距離優先です」と分析した。

 趣味に、数独。つまり、ナンバープレイスだ。とにかく、数字に強い。学生時代、得意科目の数学。また、常に数字に目が行くという。「車で移動する際、脳が勝手に、対向車のナンバーを足したり、引いたり…。気が休まるヒマがありません」。数字と無縁ではない職業だけに、その気持ちがわかる。

 ちなみに、飛距離は「キャリーで10ヤード。ランが10ヤードのプラス20ヤードは伸びました。今、平均飛距離は230ヤードぐらいです。とはいえ、飛距離をプラスした分、クラブ選択の面など、去年までのデータが参考にならない」と明かす。というわけで、練習ラウンドから、超がつく真剣勝負である。この日は、同組の成田美寿々のプレーに大感激。「打ち方や、気持ちが入っているプレースタイルなど、見ていて楽しかった。私は、同組のおふたりに、ついていっただけです」。控えめな人柄を表す口調である。ビッグマウスとは無縁。飛距離は伸びてもひたすら低姿勢だった。

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