2018.8.12
Day 3 原田香里のプラスワン テック
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 軽井沢72ゴルフ 北コース(長野県)最終日
今季2勝目は、またも完全優勝。黄アルムさんのスイング、お見事です。ゆるみがない。よどむところもなし。1Wからパターまで、すべてがお手本でした。上体がゆっくり動き、下半身がどっしりとしている。特に感心したのは、前傾角度の素晴らしさです。アドレス時とインパクト時に変わることがない。身体の軸が固定されているわけですから、スイングの軌道が一定です。
ただ、プロゴルファーも人間。感情や日々の体調などで、調子が微妙に変化するもの。とはいえ、復活を遂げた前々週から、スイングがとてもいい。これだな-という確信を感性と、肉体がはっきり認識したのだと思いました。特に粘りが強い洋芝のコースは、クラブの入る角度を一定にたもたなければ、ミスを誘発します。大東建託・いい部屋ネットレディス、それから今回も、開催コースが洋芝でした。スイングの安定性が、優勝を引き寄せたのでしょう。完全優勝は、勢いだけで成し遂げられるわけなどありませんから。
それにしても、今季の夏、手応えをつかむまで、どれほどの苦悩があったのか。それは、本人でなければわかりません。ツアー初優勝から、2勝目をあげるまでに9シーズンも要したわけです。よく、選手はゴルフが好きと口にするものの、好きなだけでは続けられるものではありません。ましてや、職業となるとなおさら。黄さんは、恵まれないお子さんのために、財団を立ち上げたそうです。母国、韓国のお子さんだけではなく、「日本でも大変、お世話になっている」と、日本のお子さんのためにも尽力しました。
私財で運営を行ったものの、成績が伴わなければ維持をすることも難しくなる。財団は他の人へゆだねたものの、できるかぎりのサポートを続けています。スランプからはい上がった原動力は、そうしたお子さんへの愛情が大きかったのではないかと想像しました。フィランソロピーの精神が、支えになったのです。
今季の賞金女王、さらに、メルセデス・ポイントレースなど、この勢いがあれば当然、加わってくる。ぜひ、黄さんのスイングをナマでご覧になってください。百聞は一見にしかず、です。
(原田香里=担当理事)
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