ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ　最終日

　2009年LPGAツアー公式戦第1戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』（賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,400万円）の最終日が、茨城県つくばみらい市の茨城ゴルフ倶楽部・西コース（6,553yards、Par72）で開催された。

　天候：晴れ、気温：28.1℃、風速：3ｍ。この日の茨城は朝から強い日差しが降り注ぐ夏日。会場には11,714人ものギャラリーが詰めかけ、白熱の最終日を大いに盛り上げた。この日首位スタートの諸見里しのぶは前半から順調にスコアを伸ばすが、ポーラ･クリーマー（米国）や全美貞（ｼﾞｮﾝﾐｼﾞｮﾝ・韓国）、福嶋晃子らの猛烈な追い上げに苦しめられた。上位選手が軒並み60台のスコアをマークするハイレベルな優勝争いとなったが、最後は諸見里が1打差にまで迫られながらもリードを守りきり、トータル13アンダーのハイスコアでツアー通算4勝目を飾った。

　前半のハーフで4つスコアを伸ばし、一時は独走態勢に入るかに思われた諸見里。しかしさすがにメジャー大会。後半は日本そして世界の実力者たちの激しい追い上げが始まった。まず、前を行くポーラ・クリーマー（米国）がコースレコードタイの65をマークして諸見里に1打差でフィニッシュ。諸見里と同組の全美貞（韓国）もその差を確実に縮め、残り1ホールで1打差とプレッシャーをかける。そして一度は優勝争いから遠ざかった同組の福嶋晃子も、17番ホール・パー5のセカンドショットをピン奥1ｍにつけるスーパーショットでイーグルを奪取。土壇場で諸見里に1打差とした。そして迎えた18番。全と福嶋の2打目がグリーンを捕らえられなかったのに対し、諸見里の残り122ヤードからの2打目は確実にグリーンにオン。続くパットも確実に2パットで沈めて、追いすがる強豪を振り切り、宮里藍に次ぐ、史上2番目の若さで公式戦2勝目を挙げた。

　前年度覇者の福嶋晃子、ロレックスランキング4位のポーラ・クリーマーらを退けて堂々優勝の諸見里。「正直メチャクチャ嬉しいです。日頃のトレーニングや辛い思いもありましたけど、一生懸命練習した結果、勝つことができて頑張った甲斐があったなと思いました」と喜びを爆発させた。過去に海外ツアーに参加するなど、海外志向の強い諸見里。この優勝で、今年のサントリーレディスオープン終了時の賞金ランキング上位5名までに与えられる「全英リコー女子オープン」にグッと近づいた。本人も「プロデビューして、それからずっと全英女子オープンに行ってみたいという気持ちがあったんですけど、いつも前半戦がダメで苦しい思いをしていたので…」と感無量。「昨年よりは強くなっていると確信しています」という伸び盛りの22歳が、歴史の1ページにその名を刻んだ。

2位タイ　ポーラ･クリーマー
「もう少しでしたね。しのぶさんが表彰式で18番グリーンに立ったときに、自分のパットラインがフラッシュバックのように思い出されて、正直心残りはあります。でも全体としては良いプレーをしたので、その点は納得です。今回の試合はメジャーということでフィールドも良かったし、コースは初開催ということでしたけど素晴らしかったです。日本でプレーするのは楽しいし、日本のゴルフファンはとてもよくゴルフを理解しているので、スケジュールが合えばまた戻ってきたいですね」。

2位タイ　全美貞
「今日はなかなかいいゴルフができて楽しかったです。最後はもう少しアプローチに自信があればチップインを狙ったんですけど、自分ができる限り頑張りました。今日はタイミングのミスはあったけど、（改造中の）スイングそのものは良くなったと思います。どんどん調子が上がってきてるしいいゴルフで回れてるので、来週からが楽しみです」。

4位　福嶋　晃子
「今日はドライバーが距離が出なくて、アイアンでもいいスイングをするとショートなんで困っちゃいましたね。私には優勝のチャンスはなかったですね。パターも悪くて狙ったところに出なかったんで、入ればラッキーって感じだったので。それでも、（復帰して）こんなに早く優勝争いができるなんて、もうちょっと調子が上がればチャンスはあるなって。来週も賞金高いですし頑張ります。それにしても、今日は暑くて疲れたー（笑）」。

5位　李知姫
「今日はショット、パターとも噛み合ってくれましたね。3日間回ってみてスコアが出そうだとは思ってたけど、それが最終日に出てくれてとても良かったです。前半伸ばしてるときはいけるところまでと思ってましたけど、さすがに優勝までは届かないと思ったので、自分の一番良いプレーをしようというところに集中してました。今週はコースのコンディションがすごく良くて、ギャラリーもすごくいっぱい来てくれたので、4日間楽しかったです」。