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2018.9.16

香妻琴乃がついに- 大逆転でツアー初V

<Photo:Matt Roberts/Getty Images>

 LPGAツアー第28戦『マンシングウェアレディース東海クラシック』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会最終日が9月16日、愛知県美浜町・新南愛知カントリークラブ美浜コース(6,446ヤード/パー72)で行われ、香妻琴乃が通算15アンダーでLPGAツアー初優勝を飾った。8バーディー、ノーボギーのサンデーチャージ。素晴らしい逆転劇だった。通算14アンダー、2位タイは岡山絵里、新垣比菜、イミニョン、アンソンジュ。鈴木愛は通算12アンダーの6位タイに終わった。(天候:曇り時々晴れ 気温:27.1℃ 風速2.6m/s)

 香妻琴乃はしっかりと準備を整えていた。最終組から3組前でひと足早くホールアウト。この時点で首位に立っていたが、アンソンジュなど、後続は名うての勝負師がひしめく。プレーオフに備え、練習グリーンでは、フックラインを意識して繰り返す。「第2打はピンの右へつくと思っていたから」という。さらに、「優勝を意識したわけではない。私が思っていたのは、とにかく集中力を切らさない。その1点だけでした」と心中を吐露した。

 失礼ながら、こんな姿を見たことがない。明らかに今回は別人のよう。おそらく、プレーオフへ持ち込まれても、優勝を飾っただろう。そう感じさせるだけのたたずまいが-。

 入念な準備も杞憂に終わる。結局は1打のアドバンテージは、追う選手へ強烈なプレッシャーとなったのだろう。プロ8年目のLPGAツアー初優勝。インタビュールームへ着席した姿は驚くほど、落ち着き払っていた。「表彰式で泣くつもりはなかった。でも、キャディーさんから、ゴルフをしていて良かったね…といわれたら、涙がこぼれてきた」と話し、「まだ、優勝したという実感がありません。きょうは緊張した場面があまりない。今までの優勝争いは、ものすごくドキドキ。今回はとにかくスコアをひとつでも伸ばそうと、最後までそれだけが頭にあった」。

 優勝を決めた18番。第1打は右ラフへ行った。第2打の前、「ちょっと距離感がつかみづらい。でも、きょうはパッティングの調子がいい。ピンの右、4.5メートル以内なら、バーディーチャンス」。2.5メートルについた。「2カップ切れるフック」と見事な読みで、その通りのストロークを行う。この日、8バーディーを奪取。ショットがさえ、ノーボギーのラウンドだ。ウェイティングで出場権を得て、史上2人目のLPGAツアー優勝を果たす。

 ところが、偉業の裏では長く苦しい葛藤が…。昨年、サードQTで敗退した際は、「ゴルフが嫌いになった。LPGAツアーへ出られない。どういう気持ちで1年を過ごせばいいかわからなかったから。また、応援してくださる7社のスポンサーさんに、申し訳ない。そんなことをたくさん、たくさん考えました」。さらに、続ける。「しかし、スポンサーの方に、いつも励ましていただきました。もっと、うれしかったのは、ファンの皆さんからの応援。LPGAツアー、ステップ・アップ・ツアーへ出場すると、私が思っていた以上の皆さんが、足を運んでくださった。どんなに成績が悪くても、一緒に18ホールを…。これほどの期待に応えるのは、優勝することです。ゴルフがイヤなんていってはいられない」。

 どん底からはい上がる。その強じんな精神力は連日、どんな時でも5キロを走るというルーティンが示した。ところで、初優勝を果たしたきょうは、走ったのか。それは、次週の成績でわかる。

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